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前ページゴーストステップ・ゼロ 【各種説明】 (用語=Y、スラング=S、アイテム=I、地名=M、人物=P、スタイル=St、神業=神、特技=特) シーン12 性癖 …トーキョーN◎VAでは、様々な性癖に対してかなり寛容になっている。 大多数はノーマルでストレートな性癖を持つ人々だが、マイノリティだからと差別を受ける事は“あまり”ない。 こういった事情の背景には、ヴァーチャルリアリティ技術の発展もあるのだろうと作者は思っている。 シーン13 カブキ(St) …ミュージシャン、芸術家、ギャンブラー、アーティスト。“幸運な偶然”によって危機を回避したり、対象の行動を失敗させる。 幸運なキャラや芸人という位置付けでも使用される。 シェリル・ノームや如月千早、wikiではプリズムリバー3姉妹や手の目が相当する。 <雷神>(I) …護身用スタンガン。ダメージを与えた相手にバックファイア(不利な影響)を与える。 <タクシードライバー>(I) …小型の暗殺用拳銃。袖からポップアップするタイプのホルダーがついており、瞬間的に準備できる。フルオート可能。 シーン15 地図 …<IANUS>は自動でバックアップを取る機能がある。(録画2分、録音30分/参考:Revolution) ヒューはこの機能を利用して、<ポケットロン>にデータを写して利用した。 回避方法 …カゲの特技、猿飛の事。リプレイ時は修得していなかったが特技枠が2つ余っていた為、ここで修得させた。 猿飛(特) …超人的な体術を表すカゲの特技。 跳躍で壁を登ったり、木々やビルの谷間を渡ったりするばかりか。水上でさえも移動が可能になる。 個人的にカゲの特技の中では、最も華がある特技だと思う。 シーン16 跳弾 …カブトワリの特技、跳弾の事。 跳弾(特) …文字通り、跳弾を利用して対象を攻撃するカブトワリの特技。 跳弾を利用して様々な角度からの攻撃を可能とする、回避には知覚が必要になる。 娼婦の言葉 …マネキンの特技、大嫌いの事。 大嫌い(特) …魅力と表現力たっぷりの言葉や視線で、対象の心を粉微塵にするマネキンの特技。 精神攻撃は辛い。 装備すら~ …ニューロの特技、ドミネートの事。 ドミネート(特) …装備を乗っ取るニューロの特技。 電制がない装備には使えない特技だが。逆に、あると恐ろしい技能の一つ。 後方に~ …空蝉と猿飛による、回避の描写。 後にある飼い葉の所までジャンプした後、飼い葉を盾にするという行動をとった。 カブトワリ(St) …狙撃手、ガンファイター、射手。射撃を必ず命中させ、任意のダメージを与える事が出来る。 野比のび太やゴルゴ13、wikiではウルフウッドやブラスターキッドが相当。 マネキン(St) …愛人、色事師、コールガール、遊び人、ひも。他人にお願いができる。 有閑階級の人々や、存在を人に依存する人々という位置づけでも使用される。 西園寺 世界やミーア・キャンベル、wikiではハニの魂が宿った埴輪やミーが相当。 ニューロ(St) …コンピューターに脳を直結しているハッカー、情報や、データ盗賊。ウェブやウェブに接続されたものを操る。 情報生命体や超AIといった存在も含まれる。 (寺沢武一の)ゴクウや芝村舞、wikiではADAやポンコツが相当。 シーン17 三つ …トーキョーN◎VAの高等警察“ブラックハウンド機動捜査課”の課長・千早冴子の決め台詞 『その理由は3つあります』のパロディ。 ファンの方がいたらすいませんでした。 声紋 …以前の足跡と同様、最近の技術は凄いです。性別、顔形、身長、年齢等が特定できるようです。 まぁ、本体と偏在が同一の声紋を持っているかは疑問が残りますが、この話では同一としています。 超高層ビル …イワヤトビルの事。 正式名称は「日本国東京新星市総督府」。高さ3000m、“日本”への入り口がある。 アーコロジー …完全都市型建造物の事。 N◎VAには、各メガ=コーポが誇る高さ1500mにも及ぶアーコロジーがある。 スパイスガール(I) …JOJOに出てくるスタンドの名前…ではなく。作中にもあった様にスタングレネードの事。 ゲーム内ではバックファイアと呼ばれる不利な影響を与える武装だが、作中では普通に影響させてます。 シーン18 クローニングによる再生治療(I) …読んで字の如く、体細胞を復元する事による再生治療の事。シルバーレスキューのライフサービス相当。 ヒューの様なケースだと、その治療には天文学的な金額が必要になる。 Revolutionの頃にはクローン保険というものもあった。 XYZ(S) …ラムベースのカクテル。終了、終わり。バイバイ、さようなら、またね、あばよ。 シーン19 <駆風 9-WH>(I) …銃身にサイレンサーを仕込んだ暗殺用拳銃。トリガーも電気着火式なので作動音も極めて低い。フルオート可能。 シーン21 嫌われ者の騎士(P) …“火刑官(バーンドドッグ)”紫城京司。高等警察ブラックハウンド機動捜査課巡査。サディスト。 本当はイヌ(警官)だがハルケギニア風に脚色した。 「オレは、弱いものいじめが大嫌いなんだけどねえ」 陽気な女の子(P) …“散歩道(プロムナード)”ユエ(坂本友恵)。フリーランスのトーキー(記者)。元気。 「あたしは、きれいなものを見たいだけそれだけなんだ」 自分は神になり損ねたというぬいぐるみ(P) …“宇宙的迷子(クォ・グァディス)”グリム。元電脳テロリスト。かつて30秒間だけ全世界のウェブ(ネットワーク)を 完全掌握した事がある男。様々な情報を手に入れてしまった為、司法取引で厳重な保護下にある。 「30秒だけ、私は世界の神だったのだよ」 狩人の女性(P) …“火喰い鳥”小上紫乃。千早重工査察部・後方処理課第三班所属のクグツ(会社員ではなくエージェント)。京司の生き別 れの娘とかどうとか…。彼女の初登場シーンはビューティフルデイにおける見所の一つ。 「わたくしはあなたの忠実な友人ですわ」 クライマックスフェイズ ヒューの潜入工作 …カゲの特技、無面目を使用して行動した。猿飛と同様ハルケギニアに来てから修得。 無面目(特) …自らの特徴を消すカゲの特技。 特徴を消し、相手の印象に残らなくなる。要するに「その他大勢になれる」。 地味ながら結構使える特技。 ペルソナ・リポート …人格転写処置(トランスクリプト)技術を利用した事件の事。詳細はリプレイ参照の事。 アベル(P) …ヒュー・スペンサー最後の事件=ペルソナ・リポートでヒュー達の前に立ち塞がった敵。 どれほど無茶な人物かはリプレイ参照の事。 グリム(P) …シーン19の用語解説を参照 ユエ(P) …シーン19の用語解説を参照 紫乃(P) …シーン19の用語解説を参照 少女(P) …実はテファです。 前ページゴーストステップ・ゼロ
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606 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/09/16(日) 09 09 02 ID 9EnS34J6 なんやかんやでタバサにサイトを取られてしまったルイズ。はじめは何とか奪還しようとするが、タバサの実戦慣れした詠唱速度に手も足も出ない。 ルイズ「卑怯よ!小技で詠キャンばっかりして!」 タバサ「卑怯じゃない、戦術。サイトは渡さない」 ルイズ「ななななに言ってるのかしら!サイトは私の使い魔なんだからね!あんたなんかに渡さないわ!」 タバサ「でも彼は私に優しくシテくれた」 ルイズ「!?…う、嘘よ!そんなわけないわ!」 そしてまるで狙ったようなタイミングで顔を出すサイト。 サイト「あれ?二人ともなにしてんの?」 そんなサイトにルイズが詰め寄る ルイズ「ああああんた!本当にこの子にてて手をだしたの?!こここんな小さい子に!あたしよりいろいろ小さい子にッ!」 ちょっとムッとするタバサ サイト「あー…シャルロット、喋っちゃったのか」 気恥ずかしげに頬をかくサイト タバサ「ごめんなさい、でもこの人がしつこくて」 ルイズに見せつけるように腕を組みながら答えるタバサ ルイズ「なっ?!」 サイト「俺たち、一通りの騒動が収まったら結婚するから」 さらっと爆弾を落とすサイト、そんな彼に今まで見たことないくらいの笑顔で抱きつくタバサ ルイズ「嘘っ?!嘘でしょサイト!ねえ!」 サイト「本気なんだ。わかってくれルイズ」 ルイズの顔色が怒りの赤から絶望の青へと変わっていく。そんなルイズにタバサがとどめと言わんばかりに言いはなつ タバサ「昔の女は邪魔」 ルイズ「嘘…嘘よ…サイトは私の…」 ブツブツと何かをつぶやくルイズを無視してさっていく二人 ルイズ「何で…何でよ…サイトは私の…私がサイトのことを…」 ふと視線を感じて顔を上げるルイズ ルイズ「サイト?!」 しかし ルイズ「なっ…」 そこにあったのは ルイズ「何よそれ…」 見せつけるようにキスをする二人の姿 ルイズ「ふざけるな…」 この後ルイズは学院から姿を消す。最後に目撃した馬の飼育係はまるで東方に伝わる鬼のような形相だったと語る。 そして数年後、ハルケギニア中にある噂が広まる。それはカップルを襲う桃色の悪魔が現れたと言うものだった。 「ぶるぁぁぁぁ!あたしより幸せぶってんじゃねぇぇ!!殺戮のッ!エクプロージョンッッ!!」
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登録日: 2015/07/01 Wed 23 58 36 更新日:2021/04/22 Thu 19 06 22 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 MF文庫 スピンオフ ゼロの使い魔 ゼロの使い魔外伝 タバサの冒険 タバサ ヤマグチノボル ライトノベル 外伝 わたしは人間なの。だから人間の敵は倒す……それだけ。 ゼロの使い魔外伝・タバサの冒険とは、 ヤマグチノボル原作のライトノベル『ゼロの使い魔』の登場人物・タバサを主人公にしたスピンオフ作品である。 既巻は3巻。 今拓人によるコミカライズもされている。ただし途中から原作9巻から10巻のアーハンブラ編へとシフトする。 【あらすじ】 本編の舞台となるトリステイン魔法学院に通う少女タバサは、 実はガリア王国の暗部の汚れ仕事を請け負う秘密組織『北花壇騎士団』の一員であり、本名をシャルロット・エレーヌ・オルレアンと言った。 タバサはガリア王国の傲慢な王女イザベラの命を受けて、様々な困難な任務に狩りだされる。 しかし、タバサは文句ひとつ言うこともなく、無理難題の任務の数々をこなしていく。 そこにはタバサの生家と王家の血塗られた因縁が隠されていた―― 【概要】 基本的に、任務を与えられたタバサが現地へ赴いて現地の人たちと交流しながら任務を果たしていくという一話完結方式をとっている。 だが中にはシルフィードを主人公にしたものや、タバサの過去編も存在しており、タバサという人物をいろいろな方向から掘り下げていっている。 本編とはリンクしており、それぞれの話が本編のどのあたりの出来事なのかをわかるようになっている。 イザベラは後に本編にも登場。本作のエピソードや登場人物はいずれも人気の高いものが多い。 【主な登場人物】 タバサ トリステイン魔法学院に通う2年生。ガリアからの留学生であり、小柄な体と青い髪と目を持ち、二つ名は『雪風』 本来はガリアの王家の一門であるオルレアン家の娘であるが、現在その地位は剥奪されていてタバサは偽名である。 母の心を魔法の毒物で狂わされており、その解毒剤を手に入れるためと復讐のために、いかなる危険な任務をも受けている。 性格は無口で人付き合いを自分からはしないタイプ。 しかし情には厚く、任務の達成には遠回りになるとわかっていても人命や心を優先した作戦をとることもある。 反面、隠れドSなところもあり、普段はおとなしく見えてもちゃっかりえげつない手段で意趣返しをすることもある。 シルフィード タバサの使い魔で、2年生昇級の『使い間召喚の儀』で呼び出された。 周りにはウィンドドラゴンに見せているが、実は人語を解する絶滅種『風韻竜』の生き残りで、本名はイルククゥ。 年齢は200歳を超えているが、精神年齢の発達は遅く、おつむは幼児並み。 明るく優しく奔放な性格で、危険な任務ばかりさせられるタバサのことを常に心配している。 なお、主人といい勝負の食いしん坊である。 イザベラ ガリア王国の第一王女で、国王ジョゼフの一人娘。 王家の人間であるためタバサと同様の青い髪と瞳を持っているが、印象は凶暴。ファンからの愛称はデコ姫。 気まぐれで冷酷かつ嗜虐的な性格をしており、タバサとは正反対。 タバサの属する北花壇騎士団の団長を兼任しており、彼女がタバサに命令を出すところから物語は始まる。 魔法の才能に乏しく、強いコンプレックスを抱いており、天才的なメイジであるタバサに強く嫉妬していることから、 あてつけにタバサにわざと危険で困難な任務ばかり当てている。 【これまでのお話】 第一話、タバサと翼竜人 北花壇騎士団員タバサに任務が下った。指令は、エギンハイム村で村人と対立している翼人を討伐せよ。 しかし、現地に赴いたタバサの前に、人間と翼人の共存を願う恋人たちがやってきて、なんとか討伐を中止してくれと頼んでくるのだった。 第二話、タバサと吸血鬼 サビエラ村で、一晩のうちに若い娘が体中の血を吸い尽くされて殺害される事件が続発した。ハルケギニア最悪の妖魔、吸血鬼の出現である。 吸血鬼討伐に出発したタバサだったが、吸血鬼は普通の人間と見分けがつかない。 姿なき殺人鬼に対して、タバサがとる作戦とは。 第三話、タバサと暗殺者 王女イザベラに暗殺を狙っている者がいるとの疑惑があがった。タバサは魔法でイザベラと入れ替わって捜査をはじめる。 だが、暗殺者の正体と黒幕は意外な人物であった。 第四話、タバサと魔法人形 珍しい任務が下った。ガリアの名門の引きこもりの少年を学校に通わせろというのだ。 危険のない任務に退屈げなイザベラから、たわむれに魔法人形スキルニルを譲られたタバサはいつもどおりに任務に向かう。 しかし少年の冷え切った家族関係と、彼を一身に思うメイドのアネットの訴えに、タバサはある考えをめぐらせるのであった。 第五話、タバサとギャンブラー 違法賭博場撲滅の命を受けたタバサ。偽名を使って潜入するが、カジノのディーラーはなんとタバサの家で昔に仲のよかった使用人だった。 しかも、イカサマ賭博の証拠を掴まなくてはカジノをつぶすことはできない。 情と使命、さらにタバサの目をもあざむくカラクリの正体とは? 第六話、タバサとミノタウロス 任務を終えて、とある村で休息をとっていたタバサは、平民の老婆から助けを求められる。 エズレ村に人食いのミノタウロスが現れ、生贄を求めているというのだ。 助っ人を引き受けたタバサだったが、ミノタウロスの正体は人攫いの野盗がミノタウロスを騙ったものだった。 追い詰められるタバサだったが、なんとそこに本物のミノタウロスが現れる。しかも、そのミノタウロスは人語をしゃべり、自らを貴族と名乗った。 番外編、シルフィードの一日 とある平和な日、のんびりとしていたシルフィードはニナという少女と仲良くなる。 けれども、近隣の村の住人にはドラゴンであるという理由だけで嫌われてしまった。 使い間仲間に慰められても傷心のシルフィード。だが、そんなシルフィードを救ったのは少女の純粋な心であった。 第七話、タバサと極楽鳥 イザベラの気まぐれと嫌がらせで、火龍山脈に住む極楽鳥の卵を採りに行かされることになったタバサ。 そこでタバサは、料理人を目指して修行中というリュリュという少女に出会う。 だが極楽鳥は強力な火竜に守られていて手出しができない。そこでタバサは、錬金を使っての料理という新境地を目指している リュリュの魔法を使おうと考えるが、リュリュは大きな壁にぶち当たっていた。 第八話、タバサと軍港 ガリア王国軍両用艦隊の軍艦が次々と爆破されるという事件が起き、タバサが調査に派遣される。 幹部士官らに邪険にされながらも、協力者を得て調査を進めるタバサだったが、次第に事件の背後に潜むどす黒い影に気づいていく。 それはタバサ自身の生い立ちにも関わる。人の心を弄ぶ禁呪を用い、無関係な人間を大勢巻き込むことをも辞さない狂気だった。 第九話、タバサとシルフィード シルフィードがタバサに召喚された直後のお話。 見るからにちんちくりんなのに偉そうなタバサに不満タラタラのシルフィードだったが、ある日ひとりでお使いに出かけることになった。 ところが世間に疎いシルフィードは悪い人にだまされて…… 第十話、タバサと老戦士 コボルドに襲われているというアンブラン村に赴いたタバサ。彼女はそこで、村人から慕われているユルバンという老戦士に出会う。 タバサの実力を持ってすればコボルドは敵ではなく、任務達成は容易なものと思われた。 だが、タバサたちは村で過ごすうちに奇妙な違和感を感じ出す。さらに血気にはやったユルバンがコボルドに囚われてしまい…… 第十一話、タバサと初恋 最近タバサの様子がどうにも変だ。妙にそわそわして落ち着かない様子だったりしている。 それが恋だと思ったシルフィードは一念発起、なんとかタバサの初恋を成就させようとあの手この手を試みるけれど空回りばかり。 一方で、タバサも自分の中に芽生えた不思議な気持ちがわからずに自問自答を続けていたが…… 第十二話、タバサの誕生 タバサがまだシャルロットと名乗っていた時期の話。 ガリアの先王が亡くなり、時期後継者候補のひとりであったシャルロットの父オルレアン公が暗殺された。 ジョゼフが王となり、オルレアン派最後のひとりであるシャルロットは母の身柄と引き換えに怪物の跋扈するファンガスの森に送られる。 そこは凶暴な合成生物キメラたちの魔境であり、ボス格である『キメラドラゴン』を倒さなければならない。 戦闘経験などないシャルロットはキメラに襲われて絶望するが、そこを森の猟師であるジルという女性に救われる。 ジルから戦い方を学び、シャルロットは戦士として成長を始める。だがそれは、長くつらい戦いの始まりでしかなかった…… 追記・修正はムラサキヨモギを噛み締めながらお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] これらの中では極楽鳥の話が一番好きかな。リュリュがすごくいい子ってのもあるけど、彼女の魔法が完成したらハルケギニアから飢餓がなくなりそう -- 名無しさん (2015-07-20 01 11 09) アニメの最大の罪はデコ姫を出さなかったことである -- 名無しさん (2015-08-06 00 39 39) なんやかんやでかなり続いたんだな -- 名無しさん (2015-09-15 16 55 09) OVAでシリーズ化希望 -- 名無しさん (2016-05-16 13 15 48) ふと思ったけど、錬金で食料作れたら人口爆発につながるんじゃなかろうか -- 名無しさん (2017-02-05 21 45 18) 読み返すと、ハッピーエンドで終わらない話もあるし、本編に比べて大人向けファンタジーって感じがしたな -- 名無しさん (2018-07-04 00 01 47) 作れたらというより、錬金による食料生成はあまりうまいものが作れないだけで昔から可能だったっぽい。普段からは食べてないだけで深刻な食糧不足ならそれで食べ物を作るだろうからハルケギニアでは餓死なんて基本ないんじゃないか。魔法のサービスは思いのほか安いようで、大豆に錬金をかけてつくる代用肉のほうが本物の肉よりずっと安いみたいだし。 -- 名無しさん (2018-07-04 07 50 54) 時系列的にはちょっとおかしな話もある。「タバサとシルフィード」では彼女はサイトと同じ日に召喚されていてまだいくらも時間が経ってないはずなのに、タバサの任務や境遇について妙に詳しかったりとか。 -- 名無しさん (2018-07-04 07 54 31) 名前 コメント
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「全宇宙の果てのどこかにいる、わたしの下僕よ!強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ! わたしは心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」 結論から言おう。 かのヴァリエール嬢――ほかの平行世界においては、”虚無(ゼロ)のルイズ”と呼ばれ、比類無き武器の使い手”ガンダールヴ”をその護衛(兼奴隷兼愛人)として従えることになる少女の、召喚の儀に際してのその願いは、半分だけ叶えられた。 爆音とともに現われたその存在は、確かに強く、美しく、生命力に溢れ、おまけに賢こさと気高さまでも兼ね備えていたのだから。 ただし―――。 「あのぅ……ここはどこなのでしょうか?」 宝杖を携え、魔力に溢れた、どう見ても高位の術者にしか見えない”彼女”を使い魔とすることができるなら、の話ではあるが……。 『ゼロの癒し手』 トーティス村在住の新米主婦、ミント・アルベイン(旧姓:アドネード)さんは当惑していた。 苦しく困難で……けれど、同時に楽しくもあった戦いの旅が終わり、平和になった世界で、ようやく想い人との結婚にまで漕ぎ着けたのがおよそ半年前。 冒険行の途上で出会い、緩やかに想いを育んできた若い(じつは彼女の方がひとつ年上であり、夫に至ってはいまだ20歳にすらなっていない)ふたりだが、さすがにこれだけ経てば新婚とは言え多少は落ち着いてくる。 もっとも、夫の親友で、彼女たちの旅の仲間でもあった弓使いに言わせれば、いまだ”熱々のバカップル”らしいが。 その日、夫が森へ狩りに出かけている間に、彼女は新居(と言っても、元々夫の実家であった建物を改築したものだが)に残り、 季節の移り際であることもあってタンスの中の衣類の整理などをしているところだった。 「あら? これは……」 あまり多くない夫の衣類を整理し終わり、いざ自分の方にさしかかった彼女だったが、ふと懐かしい服を目にして思わず手にとって広げていた。 ”ホーリィクローク”と呼ばれるその白い衣装は、魔王を倒す旅の途中で入手し、長らく彼女の身を守ってくれたものだ。 旅の終盤にはさらに強力な防具を入手したが、清楚で美しいデザインのこの服を彼女は気に入っていたため、売らずにとっておいたのだ。 「懐かしいですね。久しぶりに着てみようかしら」 ちょっとした悪戯心もあって、ミントはホーリィクロークを着てみることにした。 せっかくなので、アンクベレットとホワイトグローブ、プリンセスケープにイヤリングまで装備し、ホーリィスタッフを手にしたフル装備仕様で、彼女は鏡の前に立った。 「うん、平気。スタイルは変わってないみたいね……ちょっと胸がキツいけど」 あまり肌が露出しない服装を好んで着ることもあって、比較的着痩せして見える彼女だが、じつは一緒に風呂に入った旅の仲間の女性陣ふたりが本気でうらやましがるほど見事なプロポーションの持ち主だ。 まぁ、そのうちひとりはまだローティーンなので、将来は彼女以上のナイスバディになる可能性も残されている。もうひとりは……推して知るべし、といったところか。 もっとも、法術師としての正装をしてたたずむ彼女は、確かに非常に美しかったが、その美は色気というよりはむしろ神聖な雰囲気を感じさせる。 また、実際その外見に違わず、彼女は極めて清楚で奥ゆかしい性格の持ち主でもあった。何せ旅の途上では、気難しい一角獣に騎乗することさえ許されたのだから……。 とは言え、現在は彼女も人妻、と言うより新妻。夫が狩りから帰ってきたときに、この格好で出迎えて驚かそうと思うくらいの、可愛らしい茶目っけは持っていた。 夫の驚く顔を思い浮かべてニコニコ―あくまでニヤニヤではないのが、この女性の気立ての良さを物語っている―していたミントだが、 それ故、背にした姿見の鏡が銀色に発光していることに、一瞬気づくのが遅れる。 「こ、この光は……!?」 おっとりした外見に似合わぬ俊敏な身ごなしで、光から逃れようとした彼女だが、一瞬の差でかわしきれず、光に包まれる。 「ミント、ただいま……何っ!?」 折悪しく……それとも間一髪で、と言うべきか、帰宅した夫のクレスが、部屋のドアを開けたところで、ミントは謎の光に包まれたまま鏡の中に吸い込まれていった。 「み、ミントーーーーーーーッ!!」 そのあとの事態は、賢明な読者の皆さんのご想像のとおりであろう。 ルイズの”使い魔”としてハルケギニアに召喚されて戸惑うミント。 もっとも、コントラクトサーヴァントに関しては、彼女が高度な術の使い手であることを見抜いたコルベール自身の進言によって一時棚上げされ、彼女の立場は”ルイズの使い魔候補”であり、同時に”学園の客分”とされる。 ミントもここが異世界であろうことを納得しつつ、故郷から夫たちの救いの手が届くであろうことを信じ、しばしその身分に甘んじることとなった。 さて、やむを得ない事情とはいえ、使い魔召喚を一時棚上げされた形となったルイズ。 ルイズの気性を知る者たちはさぞかし荒れるだろうと思っていたのだが……あにはからんや、意外なほど上機嫌でミントとの同居生活を楽しんでいた。 ひとつには、ミントほどの高位の術士―ミント自身はこの世界の魔法は使えないものの、回復や援護に特化した”法術”と呼ばれる術の使い手であり、 仲間にアーチェとい優れた魔術の行使者がいたことから、魔術に関する知識もそれなりにあった―を呼び出せたという点から、自分が決して能無しではなかったのだ、という自信。 そしてもうひとつは、召喚したミント自身の存在。彼女は、ルイズの次姉、”ちぃねぇさま”ことカトレアを彷彿とさせる、母性と慈愛にあふれた性格の女性であり、 不慮の事態に巻き込んでしまったルイズを責めることなく、それこそやさしい姉のようなスタンスで、ルイズと接してくれた。 最初こそそんな態度に軽い反発心を覚えたものの、学友達にバカにされ、孤立し、ささくれだっていたルイズの心が、自分のことを本心から案じてくれる姉的存在によって癒されていくのも無理のない話だった。 そうやって偏見を取り除いてミントを見れば、清楚な美人で羨ましいほどスタイルもよく、淑やかで上品な振る舞いをごく自然にできる極上の淑女であることが理解できた。 加えて、ミントは故郷の地の都で”歌姫”と呼ばれるほどの美声と歌唱力の持ち主であり、グルメマスターの資格を持つ料理上手。派手ではないが、インテリアや服装のセンスも悪くない。平民であることを除けば、ルイズにとって理想とも言ってよいレディだった。 しかも――彼女は強かった。 本来後衛であり、決して前線に立つのが得意とは言えないミントだが、高位の法術師にのみ与えられる”カーディナル(枢機卿)”の称号を得て久しく、最高位である”ポープ”の称号すら目前にしているレベルの術者なのだ。 野生のクマくらいなら術を使うまでもなく、手にした杖で叩いて瞬殺することくらい平気でやって見せる歴戦の猛者だ。 皆さんご承知のギーシュとの決闘イベントも発生したが、ピコハン→アシッドレイン→杖による連撃のコンボで1体目のワルキューレを瞬殺。 それを見て女性に対する遠慮と侮りを捨てたギーシュだったが、残るワルキューレも、ピコピコハンマー→シャープネス→杖でフルボッコとやはり壊滅。慌てたところにサイレンスで魔法を封じられ、あえなく敗北となった。 (余談ながら、言葉を封じられていたため「降参」のひと言が言えず、ミントに笑顔で殴り倒されたことを付け加えておく。ただし、ボロボロになったのち、やはりミントのキュアの呪文で瞬時に癒され、彼女の熱心な信奉者となった) 戦闘はそれほど得意ではないと言っていたミントのその実力を見て、ますます彼女に傾倒し、依存していくルイズ。 恐る恐る法術を教えてほしいと願い出て、それを許されてからはミントを師と仰ぐようにもなった。ご承知のとおり”虚無”の特質を秘めたルイズだが、 通常の魔法を阻害するその特質も法術との相性はよかったのか、それとも優れた教師のおかげか、熱心な学習意欲の賜物か、あるいはそれらすべての要因からか、わずか一週間で”ファーストエイド”の術をマスターしていた。 この世界でも水のメイジなら同様の事が可能であろう初歩的な癒しの法術とはいえ、これまで”ゼロ”と―時には身内からすら―罵られ続けてきたルイズにとって、それは奇跡とも呼べる偉業だった。 「ミント先生、わたし、一生ついていきます!」 感激したルイズがミントに抱きついたのも無理のない話だろう。 いまやルイズにとって、ミントは大恩人にして人生の師と言ってもよかった。 実は学園内においても、ミントは非常に人気が高い。 平民でありながら、ドットとは言え相応の実力者のギーシュを、瞬時にして下す先住魔法の使い手(法術については、一般にそう理解されていた)。 それでいて気さくで礼儀正しく、思慮深い性格の美人。ごく一部の嫉妬深い同性を除き、大半の学園の人間―貴族、平民を問わず―に認められるようになるまで、さして時間はかからなかった。 もちろん、彼女のもっとも熱心なファン(と言うより愛弟子)の第1号はルイズだったが、意外なことに2号は学園付きのメイド、シエスタだった。 ルイズのために特製料理を作ってあげようとしたミントが、厨房への案内を頼んだのが縁で親しくなり、こちらはミントに様々な料理を教わるようになったのだ。 おにぎりや茶碗蒸し、にくじゃがといった、祖父に名前だけは聞いていた料理を、苦もなく作り上げる(しかも、その出来栄えも極上だった!)ミントの料理の腕前に感嘆し、シエスタもまたミントを師匠と仰ぐようになっていた。 そのことによって、ルイズとシエスタの接点も増え、紆余曲折はあったものの、いつしかふたりは身分を越えた友人とも呼べる関係になっていった。 ミント自身も、ふたりの妹分の出現には喜んでいた。 元来ひとりっ子であったし、元の世界で旅していたころの仲間の女性ふたりも、確かに年下ではあったが、むしろ対等な戦友であり、あまり妹という感じではなかったから。 元の世界へ帰れるのかという懸念を除けば、学園での生活もけっして悪くはない。 しかし、ルイズがさらにふたつの術を覚え、シエスタがミントにレシピ皆伝と認められたころ、かの事件――アンリエッタ王女の来訪と、それに連なる秘密のアルビオン行が発生する。 詳しい経緯ははしょるが、おおよそ原作と同じ展開――ギーシュとワルドの同行、盗賊襲撃とキュルケとタバサの加勢、宿屋での戦い、王子との邂逅など――が起こったが、ここでひとつワルドは思惑を外される。 ルイズが彼の求婚をキッパリ断わったのだ。 一人前の法術師となるべく現在修業中のルイズとしては、いま結婚して家庭に入るつもりはサラサラなかったし、ミントの薫陶を受けて一人前のレディとして成長しつつある彼女にとって、ワルドがどこか薄っぺらで胡散臭く見えたことも一因だった。 仕方なく、ウェールズ王子もろともルイズを抹殺としようと企むワルド。 当然、彼女たちを守るべく、立ちはだかるミント。 高位の術者同士の息詰まる戦いが繰り広げられる。 レベル的にはミントのほうが高いのだが、遍在を使って攻め手を増やせるワルドの方が優位に立っていた。 トライアングルのウェールズの加勢や、ルイズの覚えたてのチャージ(魔力補給)によるふたりへの援護(彼女の魔力量だけは、成長したミントにさえ比肩していた)があっても、決定力に欠けるミントたちは、徐々に劣勢に追いやられていた。 ついにテラスにまで追い詰められる3人。 ところが……。 「大丈夫かい、ミント!!」 時空を切り裂く剣の力を借りて、時空剣士ことクレスが、天馬に乗って登場。 愛の力で愛妻の居場所をつきとめた(本当はいったん過去に戻ってクラースに相談した)、魔王さえ滅ぼせる正真正銘の勇者の出現で、戦局は一気にひっくり返る。 片手を切られ、ほうほうの体でワルドが逃走したのは原作どおりだが、ミント&クレスの説得によって、ウェールズ王子はトリステインへの亡命を承諾する。 そして……。 「グスッ、せんせぇ~、どうしてもお別れなんですか?」 「ごめんなさい、ルイズ。でも、私達は本来、この世界にいるべき存在じゃないから……私にも故郷と言える場所があるから……」 と、ふたりの師弟が涙ながらに別れを惜しんでいるところに、剣士から爆弾発言が。 「うーん、でもミント。別に今生の別れってわけでもないと思うよ。この時空の”場所”は覚えたから、その気になれば来れるし……」 さすが、別世界の闘技場やら学校やらに出現していた、世界観ブッちぎりの時空剣士様。俺たちにできないことを平然とやってのける!…別にシビレたり憧れたりはしないけど。 師の夫の発言を聞いて俯き、しばし考え込むルイズ。 顔を上げると、そのままふたりについて行きたいと告げる。 「ハルケギニアへ帰って来れる方法があるのなら、先生の元でしばらく修行に励みたいと思うんです」 その言葉に驚くミントだが、ルイズの決意は堅く、また自分も彼女をもう少し育てて上げたいという想いがあったため、ついには1年間の期限をつけて同行を承知した。 さて、そこから先のことも簡単に述べておこう。 ルイズは恐れ多くもウェールズ王子に、アンリエッタ王女と学園への手紙を託し、このハルケギニアの地からいったん姿を消す。 そして……1年後に再びこの地に戻って来たときには、見違えるように成長していた。 師匠直伝の様々な法術を操り、師の友人から譲られた宝石の助けを借りてカメレオンと召喚契約を結び、別の師の友人から狩人としての基礎を仕込まれたことにより、いまやトライアングルクラスのメイジとも互角以上に戦えるであろう。 しかも、かつての癇の強い性格はすっかり影を潜め、あのミントや次姉のカトレアを思わせるおっとりとやさしい雰囲気を漂わせた大人っぽい淑女へと変貌していた。 おそらくは、貴族たれというプレッシャーのない異郷で、やさしい憧れの師匠と、素朴で男らしい彼女の夫によって、まるで妹のように愛されて健やかに育ったことがよかったのだろう。 同時に彼女たちの持つ技術を懸命に学ぼうと努めた結果、ルイズ本来が持つやさしさや魅力、才能が開花し、同時にそれが彼女の心にいい意味での余裕をもたらしたのかもしれない。 さらに、ある意味こちらのほうが特筆物かもしれないが……食べ物その他の環境のおかげか、わずか一年あまりでルイズの胸がいくらか育っていた。 さすがに師匠のように”ボインちやん”と呼ばれるほどではないが、大草原の小さな胸とバカにされ、ブラ要らずと陰口をたたかれたあのA-のペタンコ胸は、もはや存在しない! 全国の貧乳ファンよ、泣いて悔しがれ。ブラのサイズにして、およそB! ちょっと控えめではあるが十分女らしい曲線が誇らしげにルイズの着ている法衣の胸元を持ち上げているのだ。 (胸のことだけでも、アセリアに渡ってよかった……) ルイズはしみじみそう思ったとか。 その後、実家の援助を受けつつルイズはおもに法術を教える私塾を開く。 私塾の門戸は貴族のみならず平民にも開かれ、彼女自身の人柄と実力もあって、数多の弟子を輩出し、大いに栄えた。 のちにルイズは、”偉大なる癒し手”と呼ばれ、ハルケギニアの歴史に名前を刻むこととなるのだった。 -とりあえずfin-
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[名前]シャルロット・エレーヌ・オルレアン [通称・自称]タバサ [出展]ゼロの使い魔 [声優]いのくちゆか [性別]女 [年齢]15 [一人称]わたし [二人称]あなた ハルケギニア、ガリア王国の王族。物語開始時の王(ジョゼフ)から見れば弟の娘(姪)にあたる少女で、二つ名は雪風。 身分を隠してトリステイン魔法学院に入学しており、ルイズとは同級生である(ただし、物語開始時ではあまり親しいと言えない)。 名前をタバサと自称しているが、これは幼いころ母がシャルロットに与えた人形である。人間としてのシャルロットの母は今精神を病み、その人形を自分の娘(シャルロット)だと思い込んでいる。 そのため人間としてのシャルロットは、自分の名前を人形からとりタバサと称しているのである。 [戦闘力] 風のトライアングルメイジ(四段階中三段階目)であり、トリステイン魔法学院では同程度の実力の持ち主は一人しかいないほどのエリート。 風に水を足しあわせた氷雪系の魔法を得意としている。 また体術の心得もそれなりにあり、小柄で体重が軽いため攻撃は相当素早い。 その実力はとある事情で何度も死と隣合わせの任務を負わされても、全て帰還するほどのものである。 デルフリンガー曰く彼女は真正面から戦うことを避け、相手の隙に乗じて一瞬で勝負を決める暗殺者タイプであり、手数とスピードは並みではないが技の威力は低いとのこと。 そして風のメイジであるため、周囲の音に敏感である。 ただし杖を持っていないと魔法は一切使用することができない。 [性格] 本来は活発でよくしゃべる明るい女の子。 しかし母が精神を壊してからは、口を閉ざし不要なことは一切しゃべらない寡黙な性格に。 彼女のセリフはいつも、小説で言えば一行に収まる程度である。 以下、多ジャンルバトルロワイアルにおけるネタバレを含む +開示する タバサの本ロワにおける動向 初登場話 033 弱肉強食の理 登場話数 3 スタンス 対主催 死亡話 キャラとの関係 キャラ名 状態 呼び方 二人称 関係・認識 初遭遇話 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール 中立 級友 未遭遇 平賀才人 中立 級友の使い魔 未遭遇 志々雄真実 仲間 あなた 同行者 033 弱肉強食の理 三村信史 仲間 同行者 058 カッキーン☆ 悪魔の怪人軍団! 踏破地域 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 A ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ B ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ C ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ D ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ E ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ F ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ G ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ H ■ ■ ■ ■ ■ ■ □ □ □ ■ I ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ J ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ H-7→H-8バッティングセンター→H-9警察署
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アルビオンの革命戦争の最終決戦、ニューカッスルの攻城戦は、百倍以上の敵軍に対して、自軍の三十倍以上にも上る大損害を与えた戦い……伝説となったのであった。 攻城に費やした時間は然程長くはなかったが、反乱軍……いや、アルビオン王軍を打倒した反乱軍『レコン・キスタ』は、既にアルビオンの新政府である……の損害は、この戦いに関与したあらゆる人物の想像を遥かに超えていた。 三百の王軍に対して、損害は五千。離脱者も加えれば一万。 人員の損耗数を見れば、五万のレコン・キスタの二割がその数を減じたことになる。 軍事用語で全滅と言えば、外部からの攻撃等により部隊がほぼ機能しなくなるほどの損害を受けている状態を指す。アルビオン王軍のように最後の一人まで死んでしまえば、勿論全滅と称するしかない。 しかしレコン・キスタはこの戦いの後、構成人員自体の大損害及び生存人員に蔓延した戦意の著しい低下により、僅かな期間ながらも軍行動を麻痺させる結果に陥ることになる。 歴史の大きな流れからしてみれば微々たる時間ではあるが、『外部からの攻撃により部隊がほぼ機能しなくなる損害』を受けたという一点を見れば、レコン・キスタもまた「全滅した」という形容をせざるをえないだろう。 * 浮遊大陸の岬の突端に位置した城は、一方向からしか攻めることができない。密集して押し寄せたレコン・キスタの先陣は、魔法と大砲の斉射を何度も食らい、大損害を受けた。 その先陣にメイジの数はほぼ皆無であり、その大多数が平民の傭兵、稀にメイジの傭兵がいた程度であった。空軍の砲弾と風石の消費より平民の消費の方が安く付く為、空軍艦隊が動かなかったのも被害を拡大させた一因である。 しかし多勢に無勢の言葉通り、友軍の死骸を踏み越え数に任せて城壁に侵入したレコン・キスタの兵士達の手で、堅城は脆くも落城する……筈だった。 だがニューカッスルのメイジ達は城壁を破られたと見るや、全員がフライで一斉に城壁から離脱し、城内へと退却していった。 勢い込んでメイジ達を追撃しようとしたレコン・キスタの兵士達の前に立ち塞がったのは、巨大なスコップを構えたゴーレムの軍団であった。 剣でも槍でも槌でもなくスコップを構えた奇妙な人形達に疑問を抱く暇も与えられないまま、空を飛ぶことも出来ず地を走ることしか出来ない傭兵達は、常人を軽く凌駕する膂力を持つゴーレム達が振るうスコップに命を砕かれた。 しかしそれさえも数に任せた傭兵達の、アリが角砂糖に群がるように一体、また一体と破壊されていく。 ゴーレムを打ち倒して今度こそはと城目掛けて走る傭兵達を次に待ち構えていたのは、遥か下の大地へと続く落とし穴だった。門から城へと続く通路を穿つよう、即席の堀として刻まれた穴の中には、またもやゴーレムが配備されていた。 『上から落ちてきた物体全てを穴へ捨てる』という命令を受けて動くゴーレム達は、不用意に落ちてきた哀れな犠牲者達を、穴の底にまた掘られた遥か遠い大地へ続く穴へ、まるでゴミを捨てるような動作で傭兵達を投げ捨てていった。 先陣を取った傭兵達の不運は、城の宝物を漁りに来る大勢の同業者達が血走った目で我先に駆け込んでくる事だった。 罠が仕掛けられている、そんな叫びもやや遅れて城内へと突入してくる兵士達を押しとどめることなど出来はしない。後ろから押し寄せてくる友軍達により、次から次へと傭兵達は遥か下の地面へと真っ逆さまに落ちることとなったのだ。 幸運にも落とし穴を迂回して城に辿り着く兵士もいるにはいたが、ニューカッスルのメイジ達が逃げ込んだ城砦は既に全ての門と窓を閉ざしており、中に入り込むことなど到底出来はしなかった。 だがそれも穴を回避して城に辿り着く兵士の数が増えていくに連れ、城内にレコン・キスタの兵士が遂に侵入するかと思われた……その時。 「レコン・キスタに告ぐ」 ニューカッスル城に響き渡ったのは、ウェールズ皇太子の静かな言葉だった。 風の魔法で増幅されたウェールズの声は、ニューカッスル城や岬全域のみならず、岬の周辺で待機していたレコン・キスタ空軍の艦隊にも届いていた。 「君達レコン・キスタはハルケギニアを統一しようとしている。『聖地』を取り戻すという理想を掲げているが、理想を掲げるのはいい。しかし君達はその過程で流される民草の血のことを考えぬ。荒廃するであろう国土のことを考えぬ」 淡々と、しかし様々な思いを乗せて紡がれる言葉に、ニューカッスル城の攻防に参加している者達が思わず耳を傾ける。 「我らアルビオン王家はご覧の通り小城に追い詰められ、今まさに滅亡しようとしている。しかし我らは勝てずともせめて勇気と名誉、そして王家に秘められし魔術の片鱗を君達に見せ付け、ハルケギニアの王家が弱敵でない事を示さねばならない。 君達がそれで『統一』と『聖地の回復』などという大それた野望を捨てるとも思えないが、それでも我らは勇気を示さねばならぬ」 そこで一旦言葉を切ると、ウェールズは毅然と次の言葉を言い放った。 「何故か? 簡単だ。それは我らの義務なのだ。王家に生まれた者の義務なのだ。内憂を払えなかった王家に、最後に課せられた義務なのだ」 淡々と、しかし苦渋を滲ませた演説が途切れる。そして一つ、大きく息を吸い込んだらしき音の直後、それまでとは打って変わった勇ましい口調が空に響き渡った。 「よってここにアルビオン王家は敗北を宣言する。しかし君達に杖の一本銅貨の一枚たりともくれてやる訳にはいかない! アルビオン王家第一王位継承者、ウェールズ・テューダーがアルビオン王家に伝わる秘められし風の魔法を披露しよう!」 それから、数瞬置いて。 ニューカッスル城に侵入した兵士達は信じられない光景を目撃することになる。 ニューカッスルの城中の至る箇所から爆発が起こり。岬の付け根に当たる部分からも爆発音が轟いた。 突然の事に状況を把握しようとした兵士達の中で、これから起こる全ての事を予想できた者は一人たりともいなかった。 先程轟いた爆発音でさえ、次に轟く音に比べれば蚊の羽音と変わりはなかっただろう。 爆発と煙を噴き上げた城がまるで砂の城であったかのように容易く崩れて行き、大量の瓦礫と化した城の残骸が周囲に降り注ぐ。 城に纏わり付こうとしていた兵士達は、逃げ出そうとする努力を嘲笑うかのように瓦礫に押し潰され、生物としての原型を留めることさえ許されなかった。 しかし城と言う巨大な建造物を構築する圧倒的な体積が降り注ぐ被害は、たかが数百数千の兵士を圧迫する為の代物で済むはずもない。 岬の先端に位置する城が崩壊したことにより、ニューカッスルの岬をてこに見立てた「てこの原理」が発生することになる。 城が崩落することで生まれる圧倒的な落下エネルギーを力点とした結果、何処が作用点になるかと言えば、岬の付け根である。付け根の中で起こった爆発で地盤の緩んだ岬は、力点に加えられた巨大なエネルギーの前に何の抵抗もする事が出来ず……崩落する。 レコン・キスタの不運は、五万と言う数を集めた事に尽きた。 五万と言う大軍といえども、その多数は魔法も使えない平民の傭兵。 それを岬に集約させればどうなるか。 その岬を浮遊大陸から切り離してしまえばどうなるか。 導き出される答えは、あまりにも簡単だ。 ニューカッスル城は、自らが築かれた岬と、何千ものレコン・キスタの兵を道連れとし……遥か下の大地へと落下することとなる。 ここで魔法が使える貴族達はフライの魔法で事なきを得るが、平民達はハルケギニアの引力に縛られるしかない。 地面に落ち行く岬は落下速度と大量の質量という強大なエネルギーを得る。 スヴェルの月夜の翌日という時期、トリステイン王国上空を抜けてガリアへ入り、再び外海へと向かうコースを取ろうとしていたアルビオン大陸から切り離された岬は、ガリア王国の人里離れた山脈に墜落した。 その衝撃はガリアのみならずトリステインやロマリア皇国、果ては帝政ゲルマニアまで届く地震を起こすまでに至った。 かつては名城と謳われたニューカッスルの城は、惨状という生温い言葉で片付ける事は出来なかった。 ガリア王国の山に打ち付けられた岬の残骸には、無数の人間だった残骸が散らばり、腐肉を啄ばむ獣や鳥達でさえ易々と近寄らない領域と成り果てた。 城壁も城砦も爆破と墜落で完全に粉砕され、「城であった」という痕跡は大量の瓦礫の量から辛うじて伺う事が出来るに過ぎなかった。 このアルビオン王家最後の魔法を目の当たりにしたレコン・キスタは恐慌に陥り、貴族・平民双方がこれからの王家の戦いに恐れと怯えを抱き、離反者が続出した。 無論このような凄まじい出来事が人々の口に昇らぬ筈もなく、王家の強大な力が尾ひれをつけてハルケギニアを駆け巡る事になる。失われた虚無の魔法が使われたのだと言う真実味に欠ける噂ですら、それを頭から疑う者は少数派だった程である。 結果、ハルケギニア統一を掲げたレコン・キスタの野望はアルビオン王国に取って代わり新政府を樹立し、神聖アルビオン共和国の名を名乗った段階で動きを大きく留める事となった。 しかしそのような事態に陥ってもなお、笑みを絶やすことのない『レコン・キスタ』総司令官にして初代皇帝であるオリヴァー・クロムウェルに、周囲の側近達は畏怖とも恐怖とも付かない視線で彼を見ることになったのだが。 * 時を大きく戻し、決戦前夜。 ジェームズ一世の寝室を辞したジョセフは、王直筆の書状を手にしていた。 王直属の臣下として認める意を示すこの書状を持つ今、ジョセフはある意味アルビオン国王の権利を行使することを可能としたのである。 たった23分でただの平民の使い魔から、虚無の使い手であり国王直属の臣下へと一足飛びどころかテレポートレベルの大出世を遂げた図体の大きな老人を、後ろに続く誰もが信じられないものを見る目つきで見ていた。 「さァて、これでわしの計画を問題なく進められるな。後はメイジ達に国王陛下の健在っぷりを見せりゃー、それでチェックメイトじゃな」 くくく、と普段と変わらず笑うジョセフに、ウェールズが恐る恐る口を開いた。 「御老人……いや、今は……ミスタ・ジョースターと呼ぶべきだろうか?」 今の自分がどのような存在か計りかねているウェールズに、ジョセフはあっけらかんと言った。 「今まで通り御老人、と呼んで下されば結構ッ。なーに、王が準備を整える前にもう一つやっておかなくちゃならんコトがありますのでな」 歩みを止めないまま、後ろに続く若きメイジ達にニヤリと笑って言ってみせる。 「大人数を納得させるのにわざわざ一人一人説得していくのはマヌケのやることじゃ。大人数を納得させられるたった一人の人間を納得させて、その一人に説得させりゃーそれで済むという事ッ。根回し交渉の基礎の基礎というヤツじゃな」 からから楽しげに笑うジョセフが次に向かったのは厨房。まだ起きていた使用人に書状を見せ、まだ残っていたワイン樽と三百人分のグラスを用意させて、それらをホールへと運ばせた。 それからさしたる時間を置かず、王の命令によって再びホールに集められたメイジ達は自分の目を疑う光景を目撃する。 簡易の玉座の前に現れたジェームズ一世は、老いさらばえた平素の姿ではなく、二本の両脚で何の揺らぎも見せず玉座の前へと歩んでいく。 その側に立つのはウェールズ王子と……もう一人、確かトリステインからやってきたという平民の老人がいる様子に、首を傾げる者は少なくない。 玉座の前に立つジェームズは、ホールに集められた三百のメイジ達を睥睨する。 かつての王を知る古くからの忠臣達は、王から失われて久しい強い眼力を久方ぶりに感じ、思わず背筋を伸ばした。 「あいやおのおのがた、明日の決戦に備えて休息を取っていたというのに、この様な真夜中に呼びつけられてさぞや憤慨しているだろうが。この朕の姿を見てもらいたい」 ホールに朗々と響き渡る声もまた、かつての王が持っていた力強さに満ちていた。 話す事さえ覚束無かった王の凛々しい姿に、アルビオン王家に最後まで殉ずる事を選んだメイジ達はこれは夢ではなかろうか、と自分の正気を疑うも、どうにも夢とは思えない。 「このジェームスが往年の生気を取り戻したのは理由がある。朕の身体に命の灯火を再び燃やしているのは……歴史から失われて久しいとされた、虚無の力」 その言葉に、ホールがざわめいた。 伝説としてのみ語られるだけで、どのような力かさえ歴史の闇に埋もれた虚無の系統。 真偽をすぐさま判別することは出来ないが、しかし、王が雄雄しき姿を取り戻し、生きる力に満ち溢れているのは誰の目にも明らかだった。 そして何より、王は自らの身体に流れている力を虚無だと信じている。 それを誰が面と向かって「いいえ王、それは虚無ではありません」と言う事が出来ようか。出来る筈がない。 突然の王の言葉を頭から信じられる者の数は決して多くはないものの、目撃している光景と王の語る言葉が、段々と三百のメイジ達に虚無の力が存在すると信じさせていくのは、さして難しいことでもない。 「始祖ブリミルの血統を継ぐ王家に、不遜にも楯突く反逆者どもの暴虐を見かねた始祖ブリミルは、遂に自らの使徒をこのニューカッスルへと降臨なされたのだ」 その言葉と共に、後ろに控えていたジョセフが一歩前へ踏み出し、恭しく臣下達に一礼した。平民であるはずの老人を、ジェームスが自らと同等に扱う光景を目の当たりにした臣下達に疑問を指し抱かせる間も与えず、ジョセフの名を高らかに呼んだ。 「彼こそが虚無の担い手、ジョセフ・ジョースター! 始祖ブリミルより授けられし虚無の力と類稀なる奇跡の戦略を携えて滅び行く王家に伝説の力を与えに来たのだ!」 その言葉にホールのメイジ達は一斉にどよめく。 明日死に行くだけの戦いを待っている臣下達に、藪から棒に示された『虚無の担い手』。 いきなりそんな突拍子もない事を言われただけでは、王の言葉と言えども信じることは出来なかっただろう……が、枯れて折れるばかりとなっていた王が往年の精気を取り戻している、奇跡と呼ぶに相応しい姿。 『それは本当に虚無なのではないか』。そんな考えが少しずつ伝染していく。 これが平時ならばそう簡単に信じる事も出来なかっただろう。 が、明朝に死を迎えた者達に突如見せられた奇跡を、藁にも縋りたい心持ちの者達が信じたくなる事を誰が責めることができるだろうか。 一人、また一人と『始祖の使徒』の存在を信じていく。 小さな細波はやがてうねりを得、それが大波へと変貌する様を見たジョセフは、次に自ら用意させたワイン樽を玉座の元へ運ばせた。 樽の横に歩み寄ったジョセフは恭しくメイジ達に一礼すると、朗々とした声をホールに響かせていく。 「さてアルビオン王家に最後までお仕えされた忠臣たる皆様に、虚無の奇跡を御覧に入れると致しましょう。国王陛下の身体に流れる虚無の力、三百のメイジ全てに流すには誠に無念ながら精神力が足りませぬ」 いかにも残念で仕方がない、という様に肩を竦めてから、大仰に両腕を広げた。 「しかし! 虚無の力をこの樽に満たされたワインに流し、皆様方に虚無で祝福されたワインを飲んでいただくことにより、国王陛下ほどに劇的な効果ではないにせよ始祖ブリミルの祝福を皆様に分け与えることが可能になるのです!」 ジョセフの大嘘ハッタリは絶好調であった。 波紋の直流しほどではないにせよ、波紋を流した液体を飲ませれば栄養ドリンクを飲んだくらいの滋養強壮効果があるのは間違いない。が、これほど何の躊躇いもなく虚無の担い手として振舞う姿を目撃している仲間達は、開いた口を塞ごうとも考える事が出来なかった。 ジョセフはまたしてもGetBackを口ずさみ、自分の身体を波紋で輝かせながら杖をワイン樽に触れさせる。 杖から放たれる太陽の光に似た暖かな光は、確かに四系統の魔法では為し得ないもの。 そして樽からグラスに注いだワインを手に、手近にいたメイジを手招きした。 「ではまず、代表して貴方にワインの効果をお確かめ頂きたい」 「わ……私が?」 半信半疑でグラスを受け取るメイジが、恐る恐るワインを飲む。 ワインが口を潤し喉を通っていくに従い、メイジの目が驚きで見開かれた。 「なんというか……気品に満ちたワインというか、たとえると、サウスゴータのハープを弾くレディが飲むような味というか、非常にさわやかだ……3日間砂漠をうろついて、初めて飲む水というような……!」 それから一気にワインを飲み干したメイジは、自分の身体に駆け巡る活力の強さに思わず奇妙な効果音と共にレベル6のポージングを決めたッ! これもまたジョセフの策略の一つである。 虚無の力はジェームス一世の健在っぷりを示すことで証明出来たが、ワインに虚無の力を込めたと証明する為にはまた新たな証拠を用意しなければならない。 そこでたまたま近くにいたメイジを呼び寄せ、グラスを持った手から流した波紋入りのワインを飲ませる事で、三百のメイジ達に『今から飲むワインは虚無の力が込められている』と強く認識させる事が可能になったのだ。 これから残り二百九十九人に振舞うワインは、今の一人に飲ませた「特製レベル6ポージング波紋ワイン」ではなく、「波紋入りレベル1ワイン」と言う様な……つまり紛い物程度の効果しかない。 だがこれからワインを飲むメイジ達は、王と一人のメイジの効果を目の当たりにしている。自分だけ効果がないとなれば、それは始祖ブリミルの祝福を受けられなかったと言う事と同義になってしまう。 その為誰もがワインの効果を疑わないし、疑えない。 だが微々たる物とは言えども、波紋が流れたワインは人間にとって有益なものである。多少の効き目と始祖と虚無の名は、プラシーボ効果を促進させる役割も負うと言う訳だ。 二百九十九のグラスに注がれたワインがメイジ達の喉を通ったその時から、ニューカッスルのメイジ達は否応無しにジョセフを虚無の担い手、始祖ブリミルの使徒として扱わねばならない状態に巻き込まれたのだった。 To Be Contined →
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少年は空飛ぶ戦艦の上、ただじっと眼下を見下ろしていた。 浮遊大陸アルビオン、その開けた戦場でうごめく黒い影に、少年はただじっと視線を向けていた。 少年はその砕け散った世界から一人、召喚というプロセスを経て青年の手中に呼び出された。 青年は杖も使わず浮かぶ赤いおくるみを来た赤ん坊に、己に宿る伝説の力を実感していた。 赤ん坊の成長は早かった。 ほんの数日で十年以上の成長をとげ、驚くほどの速さで知識を吸収していく。 まるで“今まで溜まっていた分を吐き出す”かのように、赤ん坊は少年へと成長した。 青年、ロマリア皇国皇帝ヴィットーリオ・セレヴァレはその力をもって聖地奪還を夢に見た。 しかしその少年は、誰よりも強く誰よりも賢く、そして誰よりも高潔であった。 ジュリオ・チェザーレというふざけた偽名を与えられたその少年は、誰よりも平穏を愛していた。 それこそ本来皇国を挙げて敵対すべきエルフと交友関係を結ぶことをその視野に入れるほど。 そんな平穏を愛する少年は今、国境を越えてはるかアルビオンの大地に立っている。 一応の理由は“視察”だった。 浮遊大陸アルビオンの異常、それは大陸が速度を上げて移動していること。 トリステインの北西を浮かんでいたアルビオン大陸が各国の上を飛び始めたことだった。 「ジュリオ様、やはりアルビオン側面に何かの装置が取り付けられているもよう」 「あのゴーレムのような技術ですか?」 「そこまでは不明ですが、形状から考えてそうではないかと」 「(ううん、確かに彼らの技術力なら十分可能でしょうが、しかし何故?)」 大陸を移動させる理由がわからず、ジュリオは思案しながら近くの古木の表面をなぞる。 手袋に緑色の粉が大量に絡みつく。 「やはり、これはあのカビ……」 「ジュリオ様、これをご存知なのですか?」 「ええ。ですがこれはもう失われたはず……本当にこの騒ぎを引き起こしているのはガリア王なのですか?」 「そのはずです。我々の手のものからの情報でもそうとしか。ただ奇妙な情報もあります」 「奇妙?」 手の中の枯死したカビを払い落としながら、ジュリオは情報官に振り返る。 「被害者がほとんどいないのです。町そのものはカビに覆われゴーレムに破壊されていますが、人的被害は逃げ出してきた民衆の間のいざこざが原因のものばかりで」 「……人的被害を必要としない? なのに町を占拠して破壊活動を?」 「ええ。建物を残らず瓦礫に変えてカビで木々をなぎ払って、まるで更地を作るために動いているとしか」 「更地? この状況で戦争行為ではなく破壊発動? そんな必要が何故……」 ふと、少年の脳裏に浮かぶ情報。 神殿、伝説、悪魔の扉、聖地、聖域、そして召喚された自分。 「地図を! ハルケギニア全域の地図を! 各地の神殿と聖域の地図もお願いします! 竜騎士隊の皆さん、お手数ですが戦場の映像を上空から視察してください! 副長! 彼らに遠見の水晶を!」 慌てて机の上に置かれたものをなぎ払い、少年は受け取った地図を広げる。 聖域と神殿の位置を地図にマークしながら少年は叫ぶ。 「これじゃありません副長! かつての始祖ブリミルのころの聖域の地図です!」 遠見の鏡を操作していたメイジが、竜騎士からの情報を処理し始める。 古き地図を重ね合わせかつて聖域と呼ばれた場所同士を結んでいく。 東方の森付近で見つけた遺跡も同じく地図にマーキング。 それは驚くほどキレイに、五芒星を描いた。 「ジュリオ様! アルビオン戦場に巨大な魔法陣が!」 「位置は!? 現在のアルビオン、いえ、その魔法陣の位置は!?」 地図に移るアルビオン大陸の位置を表す光点が、五芒星の中心へ近づいていく。 「大陸を移動させている推進装置の破壊を!」 「無理です! 間に合いません!」 叫ぶように伝令を返す兵士たち。 かつての世界で“成長”を放棄することで“最強”を得た赤ん坊、世界が変わることでその制約から解き放たれた少年、かつて『あかちゃんまん』と呼ばれていた彼は、思わず天を仰いだ。 ゆっくりと、何かに押しのけられるように黒雲が晴れていく空を。 「誰か僕のマントを!」 右手のルーンを輝かせ、あかちゃんまんは竜のミルクの入ったビンをつかみ、そして叫んだ。 戦場の中心にあった城、正確には城の跡。 相次ぐ虚無のぶつかり合いで完全に崩壊した城の上空、二つの力がはじけて光る。 「ははははは! どうしたミス・ヴァリエール! 迷いが見えるぞ、その拳から!」 拳から放たれた虚無の衝撃を同じく槍から放った虚無の衝撃で相殺し、ガリア王ジョゼフは馬上に笑う。 「くっ!」 「どうした虚無の担い手よ! その姿はハッタリか? 先代が泣いているぞ!」 「黙りなさい!」 槍が虚無の幻を貫き、その後ろから打ち込まれた拳もまた、同じく虚無の幻を貫く。 「どちらにせよ私の勝利は変わらんよ! ここで勝とうが負けようが!」 「ハッタリを!」 「ハッタリ? もう少し回りに視線を向けるべきだったな!」 その声にルイズは視線を横に流す。 その視界におかしな光景が映った。 それは町並み、トリステインでもアルビオンでもない、発達した工業技術が作り出す鋼の町並み。 海が、見えない。 「……ゲルマニア!? そんな!」 「後ほんの十秒ほどなのだよ、ミス・ヴァリエール。後ほんの十秒ほどで、私と私のミューズの目的は達成される!」 大陸が五芒星の中心に迫る。 「今、この世界の全てが捻じ曲がる!」 聖域により描かれる五芒星の真ん中に、アルビオンはたどり着いた。 瞬間、世界が止まった。 輝き始めるルイズの胸、ちょうど心臓の上に刻まれたルーンが輝きを放つ。 「あ、ああ! 精神力が!」 「は、ははははは! なんという虚脱感!」 馬の上でジョゼフが脱力する。 「くああああ! 間に合わなかった!」 「ジュリオ様!」 風竜の上、ジュリオの、あかちゃんまんの右手のルーンが光を放つ。 「な、何だ、この吸い上げられるような感覚は!」 宮殿の中、ヴィットーリオの体から精神力が失われていく。 「ぬう、面妖な!」 「あう! 力が!」 左手のルーンが放つ熱にかつぶしまんはひざをつき、その横でティファニアが崩れ落ちる。 「あはははは! あはははははは! 始まる、始まるの! また楽しいゲームが!」 荒れ果てた鋼の建造物の中、赤いドレスの少女の額のルーンが輝く。 「ミス・ヴァリエール、見たまえ、今この世界は生まれ変わる」 「何を言ってっ!」 大陸そのものが光を放ち、中心に浮かぶアルビオンの魔法陣がそれをかき集め空に光点を浮かべる。 その光点が走り、ありえないほど巨大な魔法陣が描かれていく。 見覚えのあるそれは、ルイズが二年生の春の儀式でも用いたもの。 「召喚魔法!?」 「始まるぞ、待ちに待ったこの瞬間が! 我々ならば『四つの四が揃ったとき、「始祖の虚無」が復活する』、エルフたちなら『四つの悪魔が揃いしとき真の悪魔は目覚め、大災厄をもたらす』、まあ私はどちらでも構わんがね!」 「まさかあれが!」 「然り! あれこそが悪魔の門! 命の星は意志無きものに意志を与え、意思あるものに力を与える! メイジもエルフもくそくらえだ! はははははははは!」 世界が悲鳴を上げる中、四つの四から吸い上げられた力がゆっくりと、悪魔の門をノックする。 あらゆる命の中で等しく、世界にヒビが入る音が聞こえた。 ゆっくりと空から、否、“空のように見えていた世界を覆う鏡”から“それ”は現れた。 “それ”は大地、“それ”は世界、“それ”は命。 “世界そのもの”が、鏡を抜けてせり出してくる。 失われた世界、砕け散った世界、全ての可能性を繋ぐ、“真ん中の世界”。 「そんな、あれは、あれは」 あかちゃんまんは竜の背で呆然とそれを見る。 「あれは僕の世界!」 何よりも偉大な幻想が、世界を包み込んだ。 『Let s GO ! ZEROPANMAN!~そして世界は回り始める~』 鋼の古城の中、力を吸い上げられ倒れる赤いドレスの少女を、白いスーツに包まれた手が優しく受け止める。 その傍らには赤いスーツを着た男と黄色いスーツを着た男。 少女の無事を確かめホッと息をつく三人の前で、ひときわ大きなカプセルから培養液が抜かれていく。 開かれたカプセルの中、黒い亜人が一歩を踏み出した。 「結局こうなりましたね」 「まあいいんじゃねーの? 死に掛けてた俺らにゃどうしようもなかったんだし」 「そうだね。でもそれはそれとしてもだ、君はどうするんだい?」 白い服の亜人から少女を受け取りながら、黒い亜人はぞろりと並ぶ牙を除かせ、心底楽しそうに笑った。 「決まってるだろ? 世界はいつだって、オレ様のものだ」 その笑みに、三人もまた笑みを返す。 直後後ろで小さく足音。 冷凍睡眠カプセルの中にいた老人と女性が、帽子の位置を整えながら歩み寄ってくる。 「ならワシはもう一度、工場を作らんといかんのう」 「そうですね」 楽しそうに、本当に楽しそうに、六人は笑う。 「それじゃあ行きましょう、ジャムおじさん」 「そうじゃな。もう一度子供たちにパンを焼いてやらねばのう、バタ子や」 「はい!」 「アンアン!」 かくて世界はつながり、“真ん中の世界”と一つになったハルケギニアは革新のときを迎えた。 あらゆる世界につながるその“真ん中の世界”は、そこにある命そのものに力を与える。 それでも変わらず、どんなときでも、森の中の小さな建物からはおいしい香りが漂っている。 命を生み出す老人と、絶対に外さない魔球を投げる女性が、楽しそうに歌いながらパンを焼いている。 静かな静かな夜の空、命の星が降り注ぎ、黒と赤は青い髪の少女とその父親と共に楽しそうにいたずらを考える。 侍は相棒の魔剣を抱え、二つの月の下美女の酌を傾る。 かつて赤ん坊だった少年はホットミルクを飲んでベッドの中へ、王はそれを静かに見守る。 桃色の髪の少女は先代に会うか会うまいか頭を悩ませる。 そして繋がる世界の中、子供たちの夢が歩き出す。 幼いころに思い描いた幻想の世界が顕現し、ハルケギニアと混ざり合う。 神の左手ガンダールヴ。勇猛果敢な神の盾。握った両の豪腕と、吐き出す業火を携えて、導きし我を守りきる。 神の右手がヴィンダールヴ。心優しき神の笛。愛と勇気を胸に秘め、導きし我を運ぶは地海空。 神の頭脳はミョズニトニルン。知恵のかたまり神の本。あらゆる知識と英知をもって、導きし我に助言を呈す。 神の心臓ヴァンダールヴ。悲しき定めの神の天秤。ただその均衡を保つため、笑って悪意を受け止める。 四人の僕を従えて、我はこの地へやってきた。 生み出す命に愛を込め、我はこの地に生を振りまく。 ブリミル・ル・ルミル・ユル・ヴィリ・ヴェー・ジャムトリ
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前ページ次ページゼロのペルソナ 審判 意味……変革・行き詰まり 優しい風が青々とした草を掻き分け、透きとおる水が柔らかな光を反射する風景。その幻想的とすら言える世界の中に4人の少女がいた。 内三人が同じ学校の制服を着ている。とはいえ一人は緑色のジャージを、一人は赤いカーディガンを羽織り、 一人は女性であるにも関わらず男子生徒が着る学ランを着ているのだから3人の服の意匠が似通っていると思うものはいないであろう。 そして最後の一人は一人オレンジ系統の私服を着ている少女だ。彼女の背後には大きな異形の姿があった。 彼女のペルソナ、カンゼオンだ。カンゼオンは探知能力に特化した稀有なペルソナであり、今もまさにその探索能力を働かせている。 それは両手で持っているバイザーを自身の主、久慈川りせにかけさせている。 彼女の頭がペルソナの両の手で包み込まれているようなこの状態が、カンゼオンの能力を使うときの体勢だ。 りせは精神を集中させ、文字通り頭がアンテナとなっているペルソナでテレビの中の世界を探知していた。 今まで彼女たちの旅において道先案内をしていた能力は全て、失踪した巽完二、花村陽介、クマの3人を探し出すことだけに使われている。 そのため、期待と不安をないまぜにした表情で見つめる三人の少女のことも意識には入っていない。 りせは海外ロケを終え、稲羽市へと来てすぐにジュネスのテレビの中へと入った。 消失した3人の仲間を一ヶ月テレビの中で探していた天城雪子、里中千枝、白鐘直斗らに劣らず、彼女はいなくなってしまった仲間たちを心配していたのだ。 3人の少女たちが自分たちに探知能力がないことを悔やんだように、八十稲羽に戻れなかったことを辛かった。 霧が晴れ、澄み切った世界。立って見渡せば世界の端までも見渡せるような世界の中で、自分が最も知る3人の探索にかかる時間はそう長いものではなかった。 しかし仲間たちの消息をつかみたい彼女たちにとってはまるで時計の針が遅らせられているような長い時間だった。 カンゼオンの姿が消えると——それは探知を終えたということだ——、緑色のジャージを着たボブカットの少女が焦ったようにりせに尋ねる。 「わ、わかったの?あいつらのいるトコ?」 りせは、自身の返答が3人を消沈させるものと理解しながらゆっくりと答える。二つにくくった髪が揺れる。 「見つからない。……この世界にはカンジたちはいないみたい」 冷静なはずの直斗も含め、りせの言葉に愕然とする。 「見落としってことはないのよね?」 赤いカーディガンを羽織っている天城雪子は後輩に念を押す。 「見落としなんてしないよ。たとえ霧がいっぱいにあってもあの三人だったら見つけられる自信もあるし」 「なんてことだ……。僕たちは一ヶ月も見当違いのところを探していたのか……!」 学ランに身を包んだ探偵でもある白鐘直斗は迂闊だったと思っているのだろうが、りせは否定する。 「ううん、見当ちがいじゃない。たぶんここで3人は消えたんだと思う」 「え……それはどういうことですか?聞かせてください」 「この世界に痕跡が残ってるっていうのとは違うかもしれないけど感じるの。一ヶ月くらい前……あの三人がほんの少しだけこの世界にいたみたい」 「少しだけいたということは、すぐにテレビの外に出たということですか?」 直斗は質問しながら頭の中で推理を組み立てる。 電化製品売り場近くで彼ら三人を見たという証言から推測したに、失踪前にテレビの中へ入ったということはまちがいではないようだ。 だがすぐにテレビから出たならその後の足取りがつかめないのは……。 推理を進めようとする直斗にりせは新たな情報を与える。 「いいや、たぶんジュネスに戻ってないと思うの。なんていうかな……まるでテレビを通り道にしみたいな、ヘンな感じなんだけど」 「なるほど。テレビを通ってどこか別の場所へ行ったために目撃はジュネスの家電売り場近くで途切れ、そして今この世界にも彼らはいないということですか」 筋は通っているように思える話ではある。 「でも、あいつらどこにいるの?」 千枝の疑問はもっともであり、何よりも肝要なのはそこであった。彼らがどこにいるかが分かれなければどんな推理も意味がない。 「ごめん、私の能力でもそこまではわかんない……」 りせも自分の無力さが情けないと言いたげであった。つらそうにする後輩の姿に、混乱している千枝もそれ以上は追及できない。 「悲観しない!」 大きく出された声に肩を落とし気味だった直斗、千枝、りせは少し驚く。 声を出したのは雪子だ。 「今日で今までわかんなかったことがわかったんだから悲観することなんてないと思う。それに彼もやって来るし」 彼とはこの場の4人、そしていなくなってしまった3人にとってもリーダーであり、そして大切な人物である。 一ヶ月親の海外出張に付き合っていたために八十稲羽にやってこられなかったが、あと数日で来るとの連絡もあった。 彼が来る。その言葉に全員が勇気付けられた。 人間たちの住む土地よりも東にあるエルフたちの住む世界。その東端、一般的にロバ・アル・カリイエと呼ばれる東の世界の境界線、そこに数千のエルフたちの姿があった。 彼らは敵に備えていた。 敵とは人間などという脆弱なものではない。もっと恐ろしいものだ。 エルフたちは戦列を組んで戦うことはしない。だから無造作に並んだように見える現在の状態も、敵と戦うための布陣である。 彼らの視界に無数の黒い鎧が現れる。それは100を、いや千を数えるかもしれないヴァリヤーグだ。 二束歩行で、しかも獣よりも早い速度で、列を整然となして突撃する甲冑はそれがおおよそ常識的存在ではないことを端的に示す。 長槍を持って突撃してくる影たちにエルフは第一波の攻撃を仕掛ける。 火が、風が、土が飛んで行く。 しかし突撃する敵は、炎で焼かれて体を溶かしたり、疾風で体の一部を切り取られたり、頭や足を土塊で潰され数を減らしても突撃を続行している。 まるで前から飛んでくる攻撃も、傍らで倒れていく仲間も目に入らないというように。 それでもエルフの攻撃でヴァヤリーグたちの突撃力はかなり削り取られた。だがエルフたちに一片の油断もない。 これからが正念場だからだ。先陣を切り突撃してきた敵に続いて、エルフたちの視界に入っていた別の二種の巨大な影も近づいてくる。 一つは小さな影と同じく大地を蹴って、もう一つは空から飛来する。 陸路を取る怪物は甲冑姿のヴァリヤーグと同じく金属光沢を放つ。 しかしヴァリヤーグが人に鎧を着せたような姿であるのに対し、その化物——ヨルムンガントはゴーレムが鎧を着た姿だ。 その大きさはヴァヤリーグよりも10倍はあるのではないかという巨体だ。 それはつまりヴァヤリーグとほとんど同じ高さであるエルフにとっても巨大であるということだ。 その巨大なゴーレムは大地を蹴って、まるで操り人形のような常識的なゴーレムとはまるで別種であることを主張するように、素早い動作でエルフに迫る。 もう一つ、空から飛来する影は火竜だ。竜はハルケギニアにおいて最も恐れられる魔獣の一種であり、それは人間だけでなくエルフにとっても共通の認識と言って相違ない。 しかいエルフたちが今見ている竜と比べればまるで普通の竜などかわいいものであった。それは火竜である。とても巨大な火竜である。 体長は40メイル近くあり、通常の火竜の二倍で、それどころかこの世界において最大の生物であることに疑いがない。 100近い火竜が空を飛びエルフたちに襲い掛かってくる。 歯がなりそうな恐怖がエルフたちを襲う。一体で、人間10人以上の力を持つとされるエルフたちが恐怖に耐えるさまは、それだけで人間には恐ろしい何かに見えただろう。 恐怖に飲まれないようにエルフたちは次なる迎撃行動に移る。 直系10メイルオーバーの岩、それもあらかじめエルフたちのよって強化された超硬度のものが、10数人分の精霊の力によって大砲よりも早い速度でヨルムンガントに撃ち出される。 一体を砕き、そしてさらに2体、3体を打ち倒していく。ヨルムンガントには火も、風も、水も通用しない。打ち倒すにはひたすら強力な物理的衝撃が必要だ。 空を飛ぶ火竜には水や氷の精霊の力が撃ち出される。さらにエルフたちの最大の戦力の一つである水竜も今回の戦線にいた。 水竜は相性もさることながら通常の火竜よりも強力な力を持つ。もちろん今戦っている火竜には純粋な戦力では劣るだろうが水は火を消す。 水竜は高圧力の水を口から吐き出した。それは上空高く飛ぶ火竜にダメージを与える。弱った火竜にエルフたちが水・氷を打ち込んでいき、倒していく。 エルフ側に戦況は優位であったが、しかし戦闘の趨勢は時に一瞬で反転する。 始まりは2,3体のヴァヤリーグがエルフの前衛を突破したことから始まった。 カウンター 使い手のエルフたちが最前線に出て“反射”で守りを固めていたのだが、ある一点が突撃を繰り返す槍の圧力に持ちこたえられなかった。 ヴァリヤーグはヨルムンガントよりも、巨大種の火竜よりもその大きさそして破壊力では下回る。 だがその使い手のエルフすら上回る機動力、そして他の二種の10倍の数の戦力によって防衛線は突破された。 エルフたちの戦列に紛れ込んだのはほんの数体だったがそれらは暴れ周りエルフたちの戦術をかき乱した。 その槍によって数十のエルフがその槍に襲われ、さらに混乱が広がる。 そうしたために化物たちへの攻撃に間隙が生じる。 その間を縫って一体のヨルムンガントが大地を蹴り、そしてエルフたちを蹴り進む。圧倒的な質量差の前に反射は意味をなさない。 エルフたちを文字通り蹴散らしながら、水竜にたどり着き、その巨大な金属のゴーレムは横振りに拳を叩きつけた。 腹部をまるで生物ではないかのようにへこませながら水竜は横っ飛びに吹き飛んでいく。 信じられないというようにそれの飼い主たちはぽかんと見つめている。 エルフたちの攻撃とその間の間断の時間は逆転していた。 攻撃の時間の合間合間にインターバルがあるのではなく、かろうじて思い出したように攻撃しているだけとなっている。 それも全くの統制を欠いたものである。そしてエルフたちの決壊寸前の勇気は最後の一押しを受ける。 空から何かが落ちてくる音が、騒がしい戦場にも確かに聞こえた。そのことから巨大な質量だということがいやでもわかる。 空から翼をたたみ落ちるように下りてきたのは火竜だ。それは今まで自分に牙を向いていた水竜を踏みつけて降り立った。 水竜は突然の重量に耐え切れず骨や内臓、筋肉の壊れる音がしながら圧死、その口からはグロテスクな悲鳴が小さくなった。 潰れた水竜を踏みつけて火竜は咆哮を上げる。まるで玉座に腰かけ、誰が竜種の王であるかを示すかのようだ。 ここに戦線は完全に崩壊した。 ヴァリヤーグたちはその槍を鮮血に染め、ヨルムンガントたちは走り回るだけで死を撒き散らし、火竜たちは全てを燃やし尽くした。 勇敢に戦っても、勇敢に死ぬことができるだけの戦いとも言えない戦い。誰もがただただ逃げた。 全ては6000年前からの延長線上、6000年前から続く戦いの歴史だった。 トリステインを侵攻したガリア王ジョゼフはトリステインから姿を消した。 そしてオルレアン公の遺児シャルロットを擁立したトリステインの勢力は抵抗らしい抵抗なくガリアの地へと分け入っていった。 民心はロマリア侵攻の際に離れかけていた。 そしてトリステイン—ゲルマニア—ロマリアが大連合を組み、オルレアン公の遺児シャルロットを新王として擁立した時点でガリア貴族の半数近くがジョゼフを見限った。 そういった中で、ジョゼフ王が姿を消せば、残りの半数がシャルロット新王側に鞍替えすることは何もおかしなことではない。 このとき、こういった事態に起こりがちな略奪も起こらなかった。それには3つの要因があった。 一つはこれが新王擁立のための侵攻であったからだ。略奪などすれば支持が受けられなくなってしまうのは当然である。 二つ目は貴族たちが戦うことなく受け入れるということは彼らの持つ兵たちは全く消耗していないということだ。 いわば略奪が起きないように睨みがきいているといえるだろう。 最後の一つはすでにトリステイン王となることが知られているアンリエッタ王女直々に略奪行為が禁止されていたからだ。 そうつまりこの軍の指揮をとっていたのはアンリエッタ王女であったのである。 こうしてトリステイン軍は、かつてのオルレアン派を中心としてシャルロットのもとに集まってくるものたちを吸収しながら進軍し、戦いらしい戦いなくガリア王都入りを果たした。 王都リュティスの郊外にある王族の城ヴァルサルテイル宮殿には現在ハルケギニアの有力者が集まっていた。 壮麗な宮殿の中でも青レンガで作られ異彩を放つグラン・トロワの一室にはゲルマニア皇帝をはじめ、ロマリア連邦の各権力者、またアルビオンからも何人かの有力者が訪れていた。 しかし彼らの顔に浮かんでいるものは多くは不満であった。それはトリステインがほとんど単独でガリア進軍を果たしたことに起因する。 彼らは自分たちを差し置いて手柄を独り占めにしたトリステインはガリアへの影響力を大きいものにしようとしていると考えている。 彼らの多くはせっかく軍を用意しながらもトリステインの早い進軍のためにすでに新王への支持を固めた地域を何もすることなく通ってきただけであった。 もはやそれは進軍とすらいえないものだった。 トリステインについて大きな声で批判を行えないのは、ジョゼフ王の子イザベラと新王シャルロットが進んでこれを支持したこと。 それと初めはトリステイン軍単独であった戦力がジョゼフ王から離反したガリア軍を吸収していき、 王都リュティスに到達することにはその数がトリステイン軍に拮抗して、新王シャルロット王も実質的な力を持つようになってなおトリステインとの協力体制を崩さなかったためだ。 しかし、小さな声では新王はトリステインの傀儡であるという者もいた。 「みなさんご足労感謝いたします」 そう言ったのはこの会議の主催者の一人であるアンリエッタ次期王であった。 そして隣には新王シャルロットがいる。円形のテーブルであるためこの会議には上座というものは無い。 二人も自分たちに寄せられている反感に気付いており、少しでもその反感を買わないためだ。 二人の心配の通りホストの言葉にいい反応をする者は少ない。 当然のことながらアンリエッタやシャルロットの二人の少女はこの会議の中で最年少であり、そのことでも低く見ているものもいるのだ。 構わずアンリエッタの隣に座っているもう一人のホストであるシャルロットが発言を引き継ぐ。 「皆に集まってもらったのは、ジョゼフ王に備えるため」 会議上はざわざわと騒がしくなる。それはどちらかといえば冷たい反応であった。それを代表するようにゲルマニア皇帝が発言する。 「ジョゼフはすでに逃亡していて、彼についた軍もない。何の脅威にもなりえないだろう。そもそもヤツが生きているのかすら怪しいものだ」 そうだそうだというように会議場がざわいめいた。 しかしアンリエッタは確信を込めて否定するように首を振る。 「いいえ、ジョゼフ王は……ジョゼフは生きています。そして必ず反攻します」 会議の場にいた者の中には露骨にアンリエッタを冷笑する者もいた。軍も支持者もいない元王がなんの脅威になるかと思っている者たちだ。 しかし王が生きて反攻を企てることが決して軽視できるものではないことを理解している者もいる。放っておけば大きな戦乱になるかもしれない。 そしてそれは今回のガリア奪還で何の活躍をすることが出来なかったトリステイン以外の国がガリアでの利権を得るチャンスがあるということだ。 「ジョゼフがどうして生きていて、そして反攻しようとしているかと推測したのか説明してもらえるのかな?」 ゲルマニア皇帝も自国の介入のために少しでも情報を得ようとして、アンリエッタに喋らせようとする。 「かまいません。みなさん全員にその理由をお目にかけましょう」 確信を込めた一言とその内容にハルケギニア指折りの有力者たちは眉をひそめる。そして顔に浮かんだ怪訝は驚愕あるいは戸惑いに変わる。 突然、彼らの囲んだ机の上に長い槍が現れたのだ。長さ4メイルはあろう槍が突然白いテーブルクロスの上に鎮座している。 「こ、これはいったい……?」 「みなさんにはこれからジョゼフの力と、そして私たちの立ち向かわなければならない運命を知ってもらいます」 混乱の中にいる彼らはアンリエッタの言葉を理解できるものもなく、そのため冷笑を返すこともできない。 そして落ち着きを取り戻す前に、彼らは全員は槍の記憶の中へと引きずり込まれた。 リコード 「どうやら全員、あなたの“記録”をかけられたようですね」 「はい」 先ほどまで議場にはいなかったはずの少女が現れていた。 ウェーブがかったピンク色のブロンドを揺らす少女、ルイズである。 手入れの行き届いた真っ白なテーブルクロスの上には不似合いな槍がある。それはトリスタニアを強襲したヴァリヤーグの槍だ。 ルイズのテレポートによって運ばれたこの槍にはヴァリヤーグの歴史が刻まれていた。 幾度となくエルフと戦った記憶があった。 人間が恐れるエルフたちを槍玉に挙げていくその姿。そしてその槍はエルフたちを襲う二種の巨大な存在も映していた。 エルフと並び恐れられる竜、それも人間の知るものの二倍はあろうという巨体を持ちエルフたちを焼き払い蹂躙する火竜。 鉄の装甲を持ちながらその巨体から想像もつかない走力を見せるヨルムンガンド。 3種の怪物たちがが数十どころか数百以上もいることをその槍は記憶している。 そしてジョゼフに使い魔として呼び出され、火竜とともにトリスタニアを襲ったことも。 こういった物の記憶を呼び起こし人に見せる魔法が虚無魔法レコードである。レコードは記憶を操る魔法で、ルイズは槍の記憶を想起させてアンリエッタの呼び出した全員に見せている。 そうハルケギニアの権力者たちを集めたのは会議のためなどではなかった。全ては彼らにハルケギニアに訪れる運命を知ってもらい、そして兵力を結集させるためだ。 全てはジョゼフがシャイターンの門からつれてくる使い魔たちの軍団に備えるためである。 もし座して待つだけならばガリアもゲルマニアもトリステインも、人間の住む全ての国という国が滅びることになるだろう。 前ページ次ページゼロのペルソナ
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プロフィール CV 早見 沙織/追加ボイス147 年齢 不明 身長 175cm 性別 女性 種族 キャスト 愛用武器 虹の剣 「コラプサーモード起動。覚悟しなさい、調和を乱す者達!」 概要 『天性の天才』を司る太古の神(エルダーゴッド)、ダイダロス・プライマが密かに製作していた戦闘用アンドロイド。 しかし、コラプサークロンとの戦いで彼は戦死してしまい、ハルモニアは彼の研究所の中で静かに眠っていた。 ダイダロス・プライマの一部の力が注がれている『プライマトリクス』と呼ばれる物が搭載されており、本来の太古の神に劣るものの十分な戦闘能力がある。 それに目を付けたヴァイナトロンが研究所にいたハルモニアを起動させ、共にウラヌスに膨大な被害を与える。後にハルモニアは、崩壊したウラヌスと共に封印される。 長い年月が経ち、ハルモニアは何者かの手によって封印を解かれ、次元空間を飛び越えて地球に降り立つ。そして、そこでトモヤと出会う事になる。 地球に降り立ってからは、自身の機械的な姿はそぐわないと判断して、『プライマトリクス』の力で地球人と同じ様な生身の姿を取得する。 普段はお淑やかに過ごす緑色の目をしている姿をしているが、本気で怒らせるとウラヌスを崩壊させかけた『コラプサーモード』と呼ばれる目の色が赤色になる姿に変貌する。
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前ページ次ページBullet Servants 「…………はぁぁぁぁ……」 二人(と一挺)だけになった、瓦礫だらけの教室に、疲れきった少女の長嘆息がひとつ響く。 あの騒動の直後、私たちのいるこの教室は―― 生徒からの通報で駆けつけた、戦闘体制と警戒色バリバリの魔法使い(恐らくこの学院の教師陣だろう)や、 完全武装の兵士たちに包囲された。 その割に包囲陣の構成員たちが一様に、及び腰だったのは珠に瑕だが。 ……“この世界の常識から言えば”無理からぬ話だったのかもしれないが。 (教室外部のみが)緊迫したこのややこしい状況に、流石に困り果てたところで―― 現場で一部始終を知っていたキュルケ様と、同じく後から駆けつけてくれたミス・ロングビルの証言。 そして警戒レベルが下がったところでようやく“出頭”できたルイズ様の説明で、この空騒ぎはひとまずの終結。 しばしの緊急協議の結果、生徒や教師陣と我々、お互いの多大なる勘違いと。 知らなかった事とはいえ『“前科持ち”のルイズ様に魔法の実演を命じた女教師にも責任があった』という学院の判断となり―― 「ほらほら、手が止まってるわよ? ため息なんかついてないで働きなさいな、“主犯”」 「うっ、るっ、さぁぁぁぁぁいっ!! なによ、何にもしないで偉そうな事言って! そういうあんたこそ手本見せて働きなさいよ、この性悪!」 「働いてるじゃない。具体的には……そうね、アドバイスで作業効率の向上に貢献したりとか」 「く、……くく、く、くくく口だけじゃなくって、じ、じじ実際に、作業をしてほしいんだけど。 例えばこの重いガレキをどかしてくれたりとか」 「あなた、銃器に何期待してるの?」 「だったらせめて黙れぇええええええええ!」 「……おーい、お二方ともー。作業に集中しませんかー?」 「「リックは黙ってて!!」」 「……あぅう、酷い……」 …………『破壊された教室の後片付けに勤しめ』という程度のお咎めに収まり、こうして労働に従事している次第である。 あとルダ。作業滞るし、喧しいので少し黙っててください。 ほぼ間違いなくわざとでしょうけど。 「よっ……と」 比較的大き目のレンガ片や建材の屑を教室の隅にまとめ、ひと息。 魔銃との口喧嘩をひとしきり終え、またため息をついて意気消沈するルイズ様に、声をかける。 「……し、しかし……魔法の失敗とは仰ってましたが。 この授業、破壊魔法の授業か何かだったのですか?」 「違うわよ。…………土系統の、『錬金』の授業」 「錬金!?」 私の問いに、不機嫌きわまる声で回答するルイズ様。 しかし、このトリステインでは、錬金学まで魔法使いに教えるのだろうか? エルネスタさんクラスの魔法使いなら確かに、そうした技法にも通じているかもしれないが―― ゴルトロックではそのような技術はほとんど、専門の職人の専売特許だというのに……。 瓦礫を片付ける作業の手は止めることなく、その驚くべき回答にさらに踏み込み、問いかける。 「と、なると―― 先刻の爆発などは、魔法薬や素材への魔法付与(エンチャント)の干渉などが原因で……?」 「そんな複雑なものじゃないわ……普通の石ころを、わたしの魔法で真鍮に変えようとしただけ」 「魔法だけで、真鍮に……?」 魔法使いや職人の錬金術による魔法付与で、素材に干渉する事はあっても―― あくまで鉱物の加工や変質などは、その素材自体や薬品こそがキモになるものだ。 それが魔法“だけ”で成せるとは――エルネスタさんが聞いたら目の色を変えそうな話だが、さすがにそこは異世界というところか。 「ですが、金属や鉱物を魔法だけで別の物質に変えるとは……。 それだけ難度の高そうな魔法でしたら、まだそれを授業で学んでいる途中なら、失敗するのも無理からぬことかと――」 「……ふざけんじゃないわよっ!!!」 「――っ!?」 私が入れようとしたフォローは、即座に叩きつけられたルイズ様の怒声で、雲散霧消した。 訳も分からずきょとんとする私に、堰を切ったように怒鳴り散らすルイズ様。 「この程度の『錬金』が……難度が高い、ですって!? あんたそれ皮肉のつもり!?」 「い、いえ、その、ルイズ様!?」 全くもって訳が分からない。 いったい今の発言のどこに、ルイズ様を刺激してしまう言葉があったのか。 唯一つ分かることは――この世界に対しての無知から、また私が地雷を踏んでしまったということだけだ。 「こんな……メイジの魔法の中でもコモン・マジックの次にレベルの低い、初歩のドット・スペルが!? 慰めるフリして、人を馬鹿にするなんて……あんたも随分と性格悪いのね!?」 「……すみません、今の私の発言がお気に触ったようでしたら、謝罪いたします。 ですが、私は――」 ……『錬金』を行う魔法が、レベルの低い魔法? 魔法だけでそれを成せるということ自体、ゴルトロックでは目を剥くような話なのだが、そんな代物が初歩? これもまた、世界ごとの発展の違いというやつなのだろうか――? ……ともあれ。 『そのようなつもりは無かった』と続けようとしたところで――不意にルイズ様の熱気が冷めていく。 「…………笑いなさいよ」 「え?」 私の言葉を遮ったのは―― 先刻まで火がついたように悪態をついていたとは思えないほど静かな、しかしひどく苦しげな、ルイズ様の一言だった。 急激なテンションの乱高下に戸惑う私に構わず、言葉を次ぐ契約主の少女。 「あんたの本当のご主人さま……フォルテンマイヤー、って言ったっけ。 ハーフとはいえ平気でエルフなんかを執事にしてるってあたり、さぞ力のある貴族なんでしょうね」 「あの……ルイズ、様?」 唐突に放たれる少女の台詞に、頭が対応しきれず、言葉に詰まる。 確かにお嬢様の持つ『力』は、彼女自身の実力も権力も、ゴルトロックにおいて最高位のものだが―― それと今のルイズ様の言は、決定的に何かが違う。 ただ、少し捨て鉢じみたそのニュアンスが、気分のいい話ではないということだけは教えてくれている。 「……『メイジの実力をはかるには、使い魔を見よ』ってね。それなのに―― あんたももう、理解したでしょ?」 「な、何をですか?」 「わたしの実力よ!」 次々と少女の口からこぼれてくるのは、苛立ちと悔しさを多量に含有した、己を嘲る言葉だった。 「……今回の『錬金』だけじゃない! 『ファイアー・ボール』も! 『ウィンド・ブレイク』も、簡単な水を出す魔法も! それに……系統魔法のドットですらない、コモン・マジックだって……どの魔法を使おうとしても、全部失敗して爆発ばかり。 成功率ゼロ――――わたしの二つ名の『ゼロ』ってのは、そこから周りにつけられたものなのよ!」 「ルイズ様……」 泣き笑いのような表情のまま、乱れた感情のままに、ルイズ様の自嘲の言葉は続く。 「……あんたもさぞ、滑稽だって思うでしょうね。 エルフを従属させるような凄い実力のご主人さまに仕えてたはずのあんたが、わたしの魔法でこのハルケギニアに呼び出されて。 しかも契約したわたしが、魔法成功率ゼロの、毎日みんなに馬鹿にされる落ちこぼれメイジなんだからね? おかしいでしょ? バカみたいな話でしょう? ………………………………ほら、遠慮なんかいらないわよ! 笑いなさいよ!!」 最後にはまるで、己の力の無さを罰してくれとでも言うように――少女は叫んだ。 だが―― 「……いいえ、笑いません」 契約主たる目の前の少女の、自暴自棄になった言葉を――かぶりを振って否定する。 一瞬頭によぎった、私の愛する、最もゴルトロックで尊い位置にいる少女の姿を思い出す。 今ここで、ようやく気づいた。 ……似ているのだ。 「なんでよ!? 契約は契約だって言っても……あんただってわたしに思うところの一つや二つはあるでしょう!?」 「……その『思うところ』ゆえの事です。 少なくとも、それであなたを嘲笑おうとか、滑稽だなどと……私には思えないのです」 「ふざけてんの!? 安易な同情なんかされたって、うれしくないわよ! 仮にもエルフであるあんたを使い魔にしたのが、こんな失敗ばかりの、ドットですらない落ちこぼれメイジなのよ!?」 「……同情などではありません。 しかし、御自分を否定することだけは、己を最初から無価値だと断ずることだけは―――― それだけは、絶対に間違っています」 彼女の態度に感じた『思うところ』――心の底から浮上してきた憤りと、自分自身の心情から、私も彼女に言葉を返す。 義憤というにはあまりにも個人的な怒りだが。 それでも、“仮初め”ではあるが――“このような眼を、させたくは無いのである”。 「うるさい! うるさいうるさいうるさい!! わたしの価値ですって!? たった昨日、ハルケギニアの外から召喚されたばかりのあんたに、このわたしの何が分かるって言うのよ!?」 「ええ、分かるはずなどありません。そもそも私は、この世界については本当に無知だ。 まして知り合って一日経っていないルイズ様のことなど、すべて理解しろという事自体、どだい無理な相談です」 「……っ! だ、だったら――」 「――ですが。 少なくとも、先刻からのルイズ様がなさっているような眼。 自分に価値などないと断じた、何もかもがどうなってもいいと言うような投げ遣りな瞳―― そのような悲しすぎる眼をしていた方のことなら、私は一人存じています」 「……え?」 私の言に戸惑い、言葉を途中で止めるルイズ様。 ……そう。種族や生い立ち、理由など些細な点こそ違っているものの―― 「期せずしてお仕えすることになってしまった、“二人目”とはいえ…… “お仕えする方に、そういう眼をして欲しくはない”のです。私は」 「……『二人目』? それに、『お仕えする方』、って……? あんた、まさか『その方』って――」 ルイズ様が、鸚鵡返しに呟き――そして、驚きに言葉を詰まらせる。 執事としても私個人としても、あまり軽々しく言える事柄ではないのだが―― (……お嬢様、失礼いたします) それでもルイズ様のため、あえて、私は口を開いた。 「……はい。 我が本来の主――セルマ・フォルテンマイヤーもかつて、今申し上げたような瞳をしておりました」 「……え? でも、あんたのご主人さまなんかやってるような人が、そんな眼を……?」 「無論、今は違います。ですが、その…… 無礼を承知で申し上げれば―― 先刻のルイズ様が、かつてのセルマお嬢様と、よく似て見えたものでして。 ……それに、ルイズ様の普段の姿に、先刻のあの言葉です」 「え?」 「このトリステインでは、貴族はみな魔法使い、との事でしたね。 ここまで私が見た限りのルイズ様は――正直、前時代的だと思わなくもありませんでしたが、 それでも立ち振る舞いには、貴族の誇りを忘れてはおられぬようでした」 「え、いや、あれは、その……」 ここまでの彼女を見てきての、私の告げる感想に、しどろもどろになる桃色の髪の少女。 「それと――先ほどの事件からこちらの、あのルイズ様の叫び。 御自分のことを貶める内容の発言ではありましたが――それでも、本当に、悔しそうなお話振りでした」 「そ、それが……どうしたの?」 「翻せばそれは、そこまで悔しがるほどの誇りや克己心、それに至るまでの努力や辛酸、思いがあってこそのこと。 本当に自分を無価値だと思うものは、そもそもあそこまで悔しがったりも、乗り越えようともしないものです」 「……あ」 「だから、他の誰が否定しようとも、私は肯定します。 ここまで、確かに紡いできたものがあるのなら――ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール様。 あなたの存在にも、在り方にも、確かな意味があるのだと、私は信じます」 「あ、……ぁ」 「それに、貴女の二つ名たる『ゼロ』というのは、“魔法を成功させられない”というところから来た蔑称とのことですが。 少なくともその点に関しては、私という成功例が確かに、今ここに存在します。ですから―― 改めて申し上げます、ルイズ様。 貴女は魔法使いとして、決して『ゼロ』ではございません」 「ッ…………!」 ぽたり。 一粒の水滴が、石床を打つ。 「……ぅ。ぇぐ……っ! あ、ぁ……ぅぁ、あぁぁぁぁああ……っ!」 顔を手で押さえ、いままでこらえてきた、あふれる涙を夢中で拭うルイズ様。 少しでも元気を出してもらおうと、しゃくり上げながら震えるその肩に、そっと手を置こうとして―― 「~~~~~~~っ……!」 がばっ。 「ルイズ様?」 「……ゔる゙ざい゙。き、休憩よ……」 私の背広の裾をつかみ、その布地に顔をうずめるように、ルイズ様がしがみつく。 「……どう、なさいました?」 「ぐずっ……、嫌な事思い出しちゃったし、疲れちゃったし……な、なにより……ぅっく。 毎度毎度、失敗のたびにこんな埃っぽいところ、掃除させられて……目にゴミが入って痛いのよ……っ! だか、ら、ちょっと、落ち、着くまで…………このまんまで……!」 彼女のその強がった返答が鼻声だったのは、私の聞き間違いでもなんでもないだろう。 「……目にゴミって。 爆発事故の直後ならいざ知らず、今となっては苦しい言い方だわね」 「黙んなさいよ、陰険鉄砲……! いまのあんたたちのご主人さま、わたしなんだから……言うごどぐらい、黙っで、聞きなざいよ……」 「リックはともかく……私、貴女を主と仰いだ覚えはないんだけど?」 「……ゔる゙ざい゙」 魔銃の小声の呟きにも、耳聡く言い返す少女。 呆れたようなルダの返答とともに、我々は三分間、無言の休憩を取ることになった。 「……ねぇ」 「はい、何でしょうか」 「さっきあんた言ったわよね……わたしが、あんたの本当のご主人さまに似て見えた、って」 「……はい」 「あんたの本当のご主人さま――『セルマ・フォルテンマイヤー』っていってたわよね。 そういえば昨日の夜もちゃんと聞いてなかったけど…………一体、どんな人だったの」 「え?」 ――あれから、数十分後。 お互いに無駄口を叩く事もなく(ルダも先刻よりは口数が控えめだった)、教室内の片づけを続け――終わりが見えたところで。 ルイズ様が、おもむろに問いかけてきた。 「やっぱり、ハーフエルフのあんたのご主人さまだから、エルフなの? それとも――人間? もしそうなら家名があってハーフエルフを執事にしちゃってるくらいだから、やっぱり相当に力のある貴族なんでしょ?」 「あ、あぁ……その話、ですか」 ……世界そのものが違うという理由こそあれど、今のルイズ様の言葉に、相当なカルチャーギャップを痛感する。 一体どこから説明していけばいいのか、とも思ったが――。 「そうですね――確かにルイズ様には、我が本来の主のことも、知って頂くべきだったかもしれません。 少し込み入った話になると思われますが、よろしいですか?」 「うん……まぁ、いいわ」 「畏まりました。ではまずは、ルイズ様の今のご質問から。 私のお仕えするお嬢様―――セルマ・フォルテンマイヤーは、人間でもエルフでもありません」 「え!? ……ってことは、もしかしてあんたと同じ……?」 「いえ、ハーフエルフでもございません。 セルマお嬢様の種族は――先刻タバサ様と出会った後に申し上げた、ドラゴニュートです」 「ドラゴ、ニュート、って……えええええッ!?」 間近でひときわ大きく上がった、耳に痛いくらいの驚きの声に、つい両耳を手で押さえる。 「……あ、あの。 どうなさいました、ルイズ様?」 「どうなさいました、って……あ、あんた、韻竜に執事として仕えてたの!? ハーフとはいえエルフが!?」 ルイズ様の妙に大仰な驚き方に疑問を覚え――そこで先刻の『この世界の竜』の存在のあり方を思い出し、得心する。 ゴルトロックとは明らかに違う、“人間とそれ以外の種族のあり方”も。 「あ、ああ、その……どうもまだ、我々の世界との認識の齟齬があるようですね。 昨晩も一応簡単にご説明はしましたが――私達のゴルトロックにおいては 人間もそれ以外の亜人種も、等しく同じ社会、同じ文化水準の中で生きております。 人間も、エルフも、オークも、リザードマンも、メドラビットも――それこそ、種族特有の身体的特徴以外には、ほとんど差などございません」 「そ、そういえば昨日の晩、あんたそんなことも言ってたわよね。 でも、オーク鬼やコボルドとか……果てはエルフなんかとわたしたち人間が一緒に生活してるなんて……ほんと、想像に苦しむわ」 「我々の認識では、あくまで人間も人類社会を構成する『多々ある種族の一つ』にすぎませんので。 ……と、少し話が脱線しましたね。少々長い話になりますが――よろしいですか?」 少し混乱するルイズ様を落ち着かせ、話を本筋に戻す。 「あ……うん、そ、そうね。 それじゃあ、続けてちょうだい。 あんたの、本当のご主人さまの話」 「畏まりました。では――――」 ――退屈なときは、異なる世界の話をしよう。 この大地(ハルケギニア)とは森羅万象の法則が似て非なる世界、 近しくも異なるものたちが生きる、大地(ゴルトロック)の話を。 そうして、わたしの使い魔――ハーフエルフの執事は語り始めた。 このハルケギニアとは常識も歴史もぜんぜん違う、“月がひとつしかない大地”――ゴルトロックのことを。 その地の神話において、全能の神さまから分裂した後に狂い、眷属の亡者たちを率いて世界を汚染しようとした 死を司る狂った神さま――“不死の王(ノーライフキング)”と、 それを討ち滅ぼすために立ち上がった、人間も亜人も含めた八種族の英雄たちのことを。 それから2000年経ったそのゴルトロックにおける、『八英雄の末裔』とやらの一角―― フォルテンマイヤーという一族の家に仕えていた、ということを。 前半の神話の部分を聞いてて、そこらへんの部分だけ、『イーヴァルディの勇者』のおとぎ話みたいだな、と思った。 八英雄の末裔。 ハルケギニアに太古の昔から存在する、このトリステインも含めた始祖の系譜の三王家――みたいなものだろうか。 異世界の話だから、正直よく理解できないけれど…… 話半分に考えても、それなりに歴史ある名家に仕えていたということになるのだろうか、このリックは。 そして、続けられる話は……彼の本来のご主人さま。 『セルマお嬢さま』に差し掛かろうとしていた――――。 前ページ次ページBullet Servants